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2009年6月号の読みどころ

2009年05月19日発行

[企業スキャン] 日産自動車――「ハイブリッド」なき致命傷

日産の09年3月期決算発表は、純損益が2337億円と9年ぶりの赤字に転落しました。それでもカルロス・ゴーンCEOは自身の経営責任を否定。今期の業績見通しは、国内販売は横ばい、営業赤字は改善すると強気です。しかし、今や世界の売れ筋は「安い」「小型」「エコ」に絞られ、日産の国内工場の稼働率は64%で最下位との分析も。ゴーン氏はかつて、ハイブリッド(HV)車開発に力を入れていた日産の技術陣に「利益を生まない」とストップをかけましたが、その結果4月からの新グリーン税制で恩恵を受け波に乗るHV車がない状態。販売会社の破綻続出も懸念され、グループ内には不満が渦巻いています。


オリックスが「解体過程」

本誌1月号の「オリックスが『崖っぷち』」、3月号の「窮鼠のオリックスが『切り売り』」に続く第3弾スクープ。今や大企業の駆け込み寺となった日本政策投資銀行に、5月初旬、オリックスの宮内義彦会長が訪れて融資、または出資を打診したとの情報を本誌が確認しようとしたところ、オリックスの顧問弁護士から「販売禁止の仮処分を含め、あらゆる法的手続きをとる」との警告状をいただいた記事です。本誌は裏付けと確信があるので、脅しには屈しません。オリックスは5月6日の日経報道に対しても、全面否定のリリースを出していますが、マスメディア全体を敵にまわして、日経に対しても販売禁止の仮処分申請を行うつもりなのでしょうか。


[最悪期脱出の幻影] 米金融「耐性試験」のまやかし

米FRBのバーナンキ議長は5月5日、「年末にかけて弱々しいながらも回復に向かう」とのコメントを打ち出し、オバマ大統領の発言も強気に転換。米経済は雪解け間近に見えます。この明るいムードの最大の貢献者はFRBと米財務省が大手金融機関に実施していた資産の「耐性試験」。金融専門家の審査の結果、資本不足の10社の不足分が民間で調達できる範囲内に収まったのです。けれどもこのテストからはAIGや住宅公社2社が外されており、テスト結果にも手心が加えられていました。さらに市場の反騰も政府の相場操縦によるものだった疑いがあります。闇夜の先に見えた光明は幻なのでしょうか。


[置き去り中国政治改革]「天安門20年」封じに組織工作

1989年6月4日の天安門事件からまもなく20年。何人が死亡したかさえ未だに発表されていませんが、その発火点になった元党総書記、胡耀邦の4月の命日は、当局の強い意志が働いて、遺族の墓もうでだけ。20周年をヒートアップさせないよう、組織的な攻勢をかけており、各国にある領事館が目を光らせ、国内では事件に関するいかなる情報も封鎖されています。香港大学の学生会では先頃、投票で天安門事件再評価を求めることを可決しましたが、その香港でも愛国主義プロパガンダが進んでいるのが現状です。


[天を仰ぐ「野党ボケ」]小沢の腹は「大連立狙い」

民主党の小沢一郎代表の電撃辞任から1週間もしないうちに、鳩山由紀夫氏が新代表に選出されました。世論では人気が高い岡田克也氏に対し、新味のない古顔の鳩山氏になった裏には、党内の権力闘争で小沢前代表が「上からのカウンター・クーデター」を仕掛け、まんまと再制圧したプロセスが透けて見えます。代表交代劇は小沢氏自身の生き残りのためであり、実質的な態勢は小沢支配のまま変わらず。そして次に小沢氏が考えるのは自民・民主連立です。衆院選後の政局展開に照準を合わせた戦略の中身とは。小沢支配の内実に迫ります。


「木村剛銀行」にマネロン疑惑

日銀出身のコンサルタント、木村剛氏が興した「究極のモラル・ハザード銀行」日本振興銀行。前号では破綻した商工ローン大手、SFCGとの一体化ぶりや債権二重譲渡などを深く掘り下げましたが、新たな疑惑が浮かびました。カムチャツカの超ミニ銀行との意味不明の業務提携の裏で、マネーロンダリング(資金浄化)に利用されているとの情報が当局に届いたのです。高金利で釣る振興銀の預金は、どんどん膨れあがって3月末に残高が4024億円に達していますが、野放しが許される段階はとうに過ぎたようです。


5月25日以降、フリー・コンテンツを順次アップしていきます。