2011年11月号の読みどころ
2011年10月18日発行
出口の見えないギリシャなど南欧の政府債務(ソブリン)危機。とうとうベルギーの大手銀行デクシアが解体の憂き目を見ましたが、日本にとっては対岸の火事ではありません。米国の金融緩和で膨らんでいた「信用バブル」の反動で、怯えた欧州の金融機関がブラジルや韓国、インドネシアなどの新興国から投資資金を引き揚げ、軒並み通貨安に陥りました。G20、欧州首脳会議と火消しに懸命ですが、ギリシャのユーロ離脱に手間取るようだと、1930年代のような大恐慌になりかねません。
「ガジェットの帝王」スティーブ・ジョブズの死に世界が追悼ムード。日本ではiPhone4Sからソフトバンクとauの併売となったこともあって人気が沸騰しています。その舞台裏のドラマをFACTAがディープに抉ります。実はスマートフォンは早くも成熟期。カリスマが去ったアップルは「普通の大企業」になるとともに、がめつくキャッシュを荒稼ぎ。「渋滞」多発でインフラ投資に追われる日本の通信事業者の未来図は。
たった半年でウッドフォード社長が解任されたのは「文化摩擦」などではない。本誌が8月号から独走してきた調査報道が、シラを切るオリンパス経営陣を動揺させ、ファクタの記事が本当かどうか、菊川会長を問い詰めた外国人社長が切られたのだ。そもそもは旧日商岩井系のITXへの投資の失敗が発端であり、無謀なM&Aと法外な手数料で食い物にされた経緯を、内部資料に基づいて再現したスクープ続報!
民主党政調会長に就いた前原誠司氏は外交も増税問題も相変わらずの個人プレー。野田首相の足元で危うい発言を連発しています。小泉元首相の手法に傾倒する彼が「政策の師」と仰ぐのは竹中平蔵氏。反増税の姿勢を強め、まるでかつての自民党「上げ潮派」です。
復興特需に沸く東日本大震災の被災地。巨額のガレキ処理事業を公募した宮城県で、悪名高いゼネコンの「東北談合」が復活したと囁かれています。県に寄せられた密告の通り、石巻ブロックの2千億円案件を受注したのはゼネコン最大手、鹿島のジョイント・ベンチャー。かねて検察を歯軋りさせてきた鹿島が「寝たふり」から起き上がったのです。宮城県はしかし「迅速な復興」の名の下に見て見ぬふりを決め込んでいます。
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