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阿部重夫編集長ブログ「最後から2番目の真実」

2013年04月26日

金融“半グレ”が狙う「薬局」や「太陽光」

SNS(交流サイト)や太陽光発電プロジェクト、被災地の復興など、大きな資金が動き、多くの人が集まる分野には反社会的勢力も集まるものだ。これに企業の合併・買収(M&A)が絡んでくると、金融の“半グレ”たちも集まる。

今、この半グレたちが食い物にしようとしている業界をご存じだろうか。ドラッグストア業界がそれだ。コンビニが全国的に飽和状態に近付いている一方、店舗展開に伴って中小薬局の買収競争が盛んに行われているのが背景になっている。

調剤薬局を展開する、ある上場企業の幹部によると「かつて人材派遣業のM&Aで暗躍し、荒稼ぎした連中が中小薬局のM&A市場に流れ込んできている。ウチの会社にも売り込みに来るが、買収金額や手数料をかなり吹っ掛けられる」という。

投稿者 阿部重夫 - 12:00| Permanent link | トラックバック (0)

2013年04月22日

泣き寝入り不要 フェニックス投資事業組合の契約書

フェニックス・キャピタルが組成したファンド「ジャパン・リカバリー・ファンドⅡ」の契約書を入手した。他の投資組合もほぼこれと同じはずである。そこで「善管注意義務」(善意の管理者による注意義務)についてどう書いてあるか、ご覧に入れましょう。

第14条 業務執行組合員の責任

1. 業務執行組合員は、本組合の目的に従い善良なる管理者の注意をもってその業務を遂行するものとする。但し、業務執行組合員は、自らの業務履行に関して故意又は重大な過失がない限り、本組合の業務の執行の結果生じた損失又は損害に関して、本組合又は非業務執行組合員に対して、いかなる責任も負わないものとする。

2. 業務執行組合員は、本契約上の裁量権の行使又は不行使の結果生じた損失又は損害に関して、それが本組合の利益になると誠実に信じて行われたものである限り本組合又は非業務執行組合員に対して、いかなる責任も負わないものとする。

3. 業務執行組合員は、本組合の債務を弁済する責任を負わないものとする。但し、本組合の債務が、組合財産全部による弁済後も残存する場合、業務執行組合員は、かかる残存債務の弁済義務を負担するものとする。

ご覧のとおり、「善意の管理者による注意義務を果たして」ファンドを運営すべきことは、ここに明記してありますよね。さらに「故意または重大な過失がない限りは損害賠償をしない」ことも、契約書の第33条に書いてあるのです。

投稿者 阿部重夫 - 13:00| Permanent link | トラックバック (1)

2013年04月19日

フェニックス・キャピタル安東元代表への公開質問状

三菱東京UFJ銀行(BTMU)系のファンド、フェニックス・キャピタルは2002年に設立された。手がけた最大の案件は、2004年にダイムラークライスラーの追加支援打ち切りで経営危機に陥った三菱自動車だろう。

巨大債権を抱えるBTMUは、資本増強策を柱とする再建計画を立て、三菱御三家を中心とした三菱グループ各社と中華汽車が優先株による増資に応じ、さらにフェニックスが普通株、JPモルガンが優先株での増資に応じることになった。

ところが、05年になると、これらの増資では不十分と言われ、三菱グループを中心に再増資が行われたのです。この過程でBTMUとフェニックスが対立、フェニックスが分裂する事態になりました。そこから明らかにフェニックスがBTMUに従属し、「痰壺」化していくのです。ニイウスコーなどもその過程で派生した事件です。とすれば、フェニックスの「痰壺」化の原点は、三菱自動車の再建をめぐる葛藤にあったのではないかと本誌は考えました。

そこで、フェニックスの創業者で、三菱自動車の増資に関わったのち、フェニックスと袂を分かった安東泰志ニューホライズン・キャピタル代表こそ、フェニックスの「変質」を知る人間と考えました。フェニックスに送った質問状と同日、以下のような質問状を送った次第です。

投稿者 阿部重夫 - 09:00| Permanent link | トラックバック (0)

2013年04月18日

フェニックス・キャピタルへの公開質問状1

昨年7、8、9月号の三回シリーズの連載「メガバンクの仮面」で取り上げた三菱東京UFJ銀行(BTMU)系のファンド、フェニックス・キャピタルは、本誌報道で鳴りを潜めていましたが、3月から動きだしました。

折しも、リーマン・ショック後の中小企業の倒産を防ぐためにつくられた「生命維持装置」金融モラトリアム法(中小企業支援円滑化法)が3月末で期限切れと、実に微妙なタイミングです。

「ポスト円滑化法」で金融庁は倒産急増を防ぐためさまざまな延命策を講じているからです。フェニックスのような銀行の「痰壺」ファンドの二番手、三番手が全国で次々に設立されているのです。その先達であるフェニックスの行方は、「ポスト円滑化法」の日本の金融業界の貴重な先行例と言えます。

フェニックスが企業再建に成功しているならいい。しかし、ニイウスコーのようにその「粉飾」に加担した疑いが強いうえ、銀行の不良債権減らしの道具に使われた結果、ファンドの投資家には損を与え、企業再建もはかばかしくない、というアブハチ取らずの結果と言えるのではないでしょうか。

それを証明するため、フェニックスがこの3月、企業再生支援機構から引き受ける静岡の金型メーカー、富士テクニカ宮津のTOBと、米ギブソン・ギターにほとんど投げ売りするティアックのTOBについて、フェニックスに質問状を送りました。「またFACTAか」とBTMUとフェニックスは緊張したはずです。記事は最新号「三菱『痰壺』ファンドの原罪」のタイトルで掲載しましたので、お読みください。

以下、質問状とフェニックスの回答を公開します。

投稿者 阿部重夫 - 16:00| Permanent link | トラックバック (0)

2013年04月05日

SBIバイオテックは「轟沈」か?

弊社最新号記事「SBIバイオテック『一物二価』の怪」に対し、SBIホールディングスは3月19日に華々しい反論リリースを自社ウェブサイトに掲載した。例によって脅し文句つきである。

本件記事は当社として到底看過することはできないと考えておりますので、今後法的な対応等の実施も検討してまいります。

で、このブログで長文の再反論「SBIが墓穴を掘った反論リリース」を3月29日に掲載しているのはご覧のとおりです。

さて、それからずっと待っているのですが、「SBIバイオテックの気配値などグリーンシートのどこを探しても出てこない」という弊社の主張に対し、何の反論もしてきません。

トーマツが看過してくれないと、3月決算は困ったことになるのでは?

さて、われわれとは別に「SBI&サイバーエージェント研究会」というサイトでも、SBIバイオテックが追跡されてます。

投稿者 阿部重夫 - 09:00| Permanent link | トラックバック (1)

2013年03月29日

SBIが墓穴を掘った反論リリース

FACTA最新号の「SBIバイオテックが『一物二価』の怪」の記事に対し、SBIはほとんどヒステリックな反論リリースを直ちに発表した。もちろん、訴訟で対決しているので、SBIが「後家のふんばり」でいきり立つ気持ちは分からないではない。しかし、それでもなお、読者の方々は全面否定にFACTAは再反論しないのか、と思っていらっしゃるようなので、それに応えたいと思います。

新訳聖書に「白く塗りたる墓」と偽善者を指弾する言葉がありますが、北尾SBIほど「白く塗りたる墓」はないと確信しました。それは以下のような理由からです。どちらの主張が正しいか、読者の方々はもう一度、この嘘に満ちたリリース文章を目を凝らして読んでいただきたい。

「SBI未公開株組入ファンドⅢ」は、2012年12月25日付リリースのとおり、同ファンド保有株式を現物出資して、SBIバイオテック株式の割り当てを受けましたが、その際の割当価額の評価額は、2012年12月末時点で1株当たり20万円となりました。これに対して、「SBI未公開株組入ファンドⅢ」の取得価格については、SBIバイオテック株式の気配相場が発表されなくなってから1カ月経過後もその状態が継続しており、このような場合には未公開企業の直近決算期の1株当たりの純資産価格で評価するとする投資信託協会の規則に従って、2013年1月末時点で1株当たり2万8847円30銭としたものです

しかしながら、2012年12月末以降、SBIバイオテックの経営状態が大きく変化したというものではなく、SBIバイオテックの時価評価額は引き続き1株当たり20万円であると考えられることから、「SBI未公開株組入ファンドⅢ」における1株当たり2万8847円30銭という評価額との差分は、将来的に同ファンドの投資家の方々に帰属する含み益に相当するものと考えております。

他方、当社が保有するSBIバイオテック株式については、上記の投資信託協会規則の適用がないため、引き続き時価である20万円で評価しております。

したがって、「SBI未公開株組入ファンドⅢ」と当社とで、保有するSBIバイオテック株式の評価額が異なることについて、何ら恣意的ないし不適切な点はございません。

正直なところ、もう少し言い訳に知恵を使って欲しいというのが感想です。

投稿者 阿部重夫 - 09:00| Permanent link | トラックバック (0)

2013年03月26日

「オリンパス内部告発」でいぶり出されるもの

(この記事は昨日ロイターに配信したものです)

こんな時事問題の出題はどうだろう。大王製紙の不正会計疑惑、女子柔道のパワハラ、大阪産業大学のやらせ受験……その共通点は何だったでしょうか。

正解は「内部告発がきっかけ」。今や臭いものにフタができず、かえって深刻な問題に発展する例が後を絶たないのだ。と思っていたら、我々FACTA編集部が一昨年手がけたオリンパスからも、本誌に匿名社員の内部告発状が届いた。

その内容をかいつまんで言うとこうだ。

「オリンパスが特設注意市場から東証一部市場への復帰を目指して東京証券取引所に提出した内部管理体制確認書に虚偽の内容が含まれている。医療機器関連の海外工場で行われていない監査を行ったことにして、確認書の日付を改ざんした」というもの。東証一部復帰のために立ち上げられた上場審査プロジェクトメンバーほか、多くの社員が知っているのだそうだ。

投稿者 阿部重夫 - 08:00| Permanent link | トラックバック (0)

2013年03月23日

オリンパスもう火ダルマ――別の内部告発メール

これだけボコボコにブログで叩かれながら、不思議なことにオリンパスは「当社に関する一部報道について」というリリースを出さないまま(出せないまま?)、週末になだれこんでしまいました。

2月13日には、間髪入れずに「一眼レフカメラ撤退」の報道を否定するリリースを出したのに、今回はうんともすんとも言わない。笹宏行社長、さっさと事実を認めて、高山前社長みたいにペコペコ会見をやったらいかがでしょうかね。

さもないと、内部告発状がなだれのようにFACTAに舞い込んできますよ。こちらも目を離していると叱られてしまいます。たとえば、ひとつご紹介しましょうか。


投稿者 阿部重夫 - 09:00| Permanent link | トラックバック (0)

2013年03月22日

オリンパス笹宏行社長の社員向け言い訳(社外秘)2

大山鳴動、ネズミ一匹の続きです。笹社長が2月13日、社員に後ろめたそうに送った社外秘メッセージの分析です。では、メールの文章の引用から。

一連の不祥事に関しての役員・従業員に対する責任調査は、本件をもって終了としますが、本質的な問題として、本件不祥事の中で実務に関与した従業員が、隠された事情は知らないまでも、異常事態を察知できる局面はいくつもあったように思います。

おいおい、もう幕引きかね。そりゃ早いだろう。本誌への回答でも、内部管理体制確認書問題でまた新たに調査委員会をつくったそうな。調査委員会さえつくっときゃ、FACTAの目を逃れられるとでも思っているんですかね。お飾り委員会で、査問の仕方も知らない委員会をいくつ立ち上げたって、言い訳にはなりません。しかも知ってて指示に従ったという一人を処分したと言ったあとで、「隠された事情は知らないまでも、異常事態を察知できる」云々とは、頭隠して尻隠さずでしょう。

投稿者 阿部重夫 - 09:00| Permanent link | トラックバック (1)

2013年03月21日

オリンパス笹宏行社長の社員向け言い訳(社外秘)1

2月13日付でオリンパスの笹宏行社長が「関係者の責任追及に関して」と題して社員に送ったメッセージです。どう思います? 批評を加えながら引用します。 

本日は、2月12日にグループ通達で発令した懲戒処分について補足します。

過去の損失計上先送りとその解消に絡む一連の不祥事に対する対応として、第三者委員会、取締役責任調査委委員会、監査役等責任調査委員会を立ち上げて調査を進め、本件に関与した旧役員並びに外部関与者に対する責任を民事訴訟という形で現在進行中です。その一方で、従業員としての立場で本件に関与した者への対応についても検討してきました。外部弁護士にも協力を仰ぎ、社内調査に加え、現在進められている訴訟の中から得られる資料・情報も検証するなどして、関与した従業員の特定と、処分の妥当性について、詳細かつ慎重に検討してきました。

のっけから弁解調です。役員と外部関係者への処罰は、何より東京地検による刑事告訴によりなされているものであり、民事はいわばその尻馬に乗ったもの。なのに、あたかも自ら主導して民事訴訟を起こして、役員処罰に積極的であるかのように見せていること自体、後ろめたさから発したものであることは間違いありません。

この社長メッセージを「INTERNAL USE ONLY」(社外秘)として、外部に公表しなかったことが、オリンパスの後ろめたさを雄弁に物語っています。

投稿者 阿部重夫 - 09:00| Permanent link | トラックバック (0)

発行人 阿部重夫

編集長 阿部重夫

1948年、東京生まれ。東京大学文学部社会学科卒。73年に日本経済新聞社に記者として入社、東京社会部、整理部、金融部、証券部を経て90年から論説委員兼編集委員、95~98年に欧州総局ロンドン駐在編集委員。日経BP社に出向、「日経ベンチャー」編集長を経て退社し、ケンブリッジ大学客員研究員。 99~2003年に月刊誌「選択」編集長、05年11月にファクタ出版株式会社を設立した。

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