セラーテムの4~6月期決算の発表と会見は、8月6日に東京の茅場町の日本証券会館1階、大証インベスターコンファレンス会場で行われた。本来、セラーテムは大証ヘラクレス上場企業だけに大阪で発表するかと思ったが、東京で行われることになったのだ。
飛んで火にいる……とはこのことだろう。
腕を撫して待つFACTAは一番前の正面の席を占めた。会見には池田修社長と、CFOの宮永取締役が出席した。池田社長が1時間近く、業績の説明(というよりはパワーポイントのポンチ絵を映しながら、ウェブフォントサービスなど画像ソフト事業の説明)を延々と続け、肝心の中国省エネ事業については「省エネに関する総合ソリューション」「省エネITコンサル事業」などと銘打って、えらく抽象的なお題目ばかりを並べたてた。ご本人がまるで分かっていないらしく、ほとんど口パクとしか聞こえない。
それからQ&Aに移って、FACTAの追及場面になる。同席していたアナリストも目をむくような質問の連続(われわれを証券監視委員会の人間かと思ったらしい。まさかね)に、池田社長はあたふたするばかり。いきなり馬脚を現わしたのには苦笑してしまった。彼らが公開した動画でQ&Aをオミットしたのは、少しは恥を知っているということか。
退屈な社長の独演はすべて飛ばし、Q&Aだけとりあげよう。
投稿者 阿部重夫 - 08:00| Permanent link | トラックバック (0)
番外編として、ここで速報を挟もう。セラーテム“事件”がついに中国で報道された。
今年1月に発足した「財新メディア」が発行する週刊「新世紀」8月30日号に張伯玲記者ほか一名の記者の連名で、長文の記事が掲載され、同誌のインターネットメディア「財新網」にも載っています。
タイトルは「セラーテム、智能電網(スマートグリッド)の謎」
同じ記事はたちまち、「新浪財経」「網易財経」「騰訊財経」「路透(ロイター)」に転載され、セラーテムが中国でスマートグリッドを受注したという奇怪な話は、中国でもマユに唾をつけられていることが明らかになりました。中国語が読める方はリンク先をクリックしてください。その報道内容も含めた続報は、9月20日発売のFACTA10月号に掲載しますから、お楽しみに。
投稿者 阿部重夫 - 16:45| Permanent link | トラックバック (0)
7月23日にFACTAが送った取材依頼から。まずは軽いジャブ。どういう反応かを試しました。
セラーテムテクノロジー
代表取締役社長
池田 修 様中国事業に関する取材のお願い
平素はお世話になっております。
私ども月刊FACTAは「三歩先を読むオンリーワン情報誌」として、国内外や規模の大小を問わず、注目すべき企業の発掘・取材に力を入れています。国内経済の低迷が続く中、海外市場、とりわけ中国に代表される新興国市場の開拓が、企業の生命線を握る大きな課題となっています。しかし、すべての日本企業が新興国市場への参入に成功しているわけではありません。
そんな中、セラーテムは中国資本の導入と新事業分野(環境関連事業)での中国進出という果敢な決断により、業績をV字回復させておられます。そこで、このような決断を下した経緯、中国事業の具体的な内容と展望、パートナーとの協業の苦労話等について、池田社長に詳しくお話を伺いたく、取材をお願いする次第です。
また、子会社化した北京誠信能環科技のユ・ウエンゲ董事長にも、セラーテム傘下に入るまでの経緯や、中国の環境ビジネスの現状などについてお話を伺いたいと考えています。取材は中国、日本のどちらでも対応できます。
ご多忙中に恐縮ですが、8月3日頃までに1時間程度、お時間をいただけないでしょうか。ご検討のほど、何卒よろしくお願いします。
2010年7月23日月刊FACTA発行人
阿部 重夫
投稿者 阿部重夫 - 08:00| Permanent link | トラックバック (0)
内部告発サイト「ウィキリークス」が、アフガニスタンの駐留米軍機密文書7万5000点を暴露した後も、創設者のオーストラリア人元ハッカー、ジュリアン・アサンジュと米政府機関の神経戦が続いている。
アサンジュに対し、スウェーデン政府から婦女暴行容疑で逮捕状が出たとの報道直後、逮捕状が撤回され、アサンジュが「謀略」と反発したのに対し、被害者(?)の女性がペンタゴンやCIAの関与など「ナンセンス」とCNNに語ったそうだ。なんだか「藪の中」みたいだが、25日にはウィキリークスがCIAの「諸外国が米国を“テロ輸出国”とみなしたらどなるか」という3ページの内部文書(機密度は低い)を公開した。
正直言って、この衝撃度は低い。しかしアサンジュ対ゲーツ(国防長官)、パネッタ(CIA長官)の闘いは「オープン・インターネット」というイリュージョンを限界まで試す展開になりそうだ。
さて、本誌最新号(8月20日号)の編集後記で書いたように、「ウィキリークス」に倣って「FACTAリークス」を少し実験してみましょうか。編集後記にはこう書いた。
投稿者 阿部重夫 - 08:00| Permanent link | トラックバック (0)
ヤフー掲示板に以下のような公開質問状が掲載された。
FACTA編集部 御中
無視されるとは思いますが公開質問をいたします。
ジャーナリストとしての矜持がおありでしたら、ご自身のブログででもお答えいただきたく思います。貴誌の記事は玉石混交であります。スクープ記事がある反面、取材源のあやしい記事も見受けられます。今回のセラーテムについての記事についても、正しいのかあるいは不正確なのか、いまだよくわかりません。
しかしながら、最近の金融がらみの記事、たとえば日本振興銀行や日本風力開発に関する記事は、当初はあやしげに見えましたが、後々になってみるとおおむね妥当な内容でありました。もっとも、貴誌をほめたいのではありません。もし違っていたのならご容赦いただきたいのですが、振興銀や風力開発の記事は当局からのリークによるものではないのでしょうか。
そういう深い関係(?)があるからか、下の記事では証券取引等監視委員会を持ち上げまくりです。
http://news.goo.ne.jp/article/facta/business/20100517-01-00-facta.html
これではあまりにも権力べったりです。貴誌は権力の犬なのですか?無視されることを覚悟で書きました。
この掲示板をチェックはしているでしょうから、せめて気にはとめておいてください。
内容は表題の通りだが、明日から用意しているブログ記事の前フリとしてお答えいたしましょう。
投稿者 阿部重夫 - 08:00| Permanent link | トラックバック (0)
環日本海の地方新聞にシンジケート・コラム「時代を読む」を寄稿しました。
たまたま取材もあって、青森県八戸市にいて三社大祭のお通りを見る機会を得ました。極彩色の山車が29台、青森市のねぶたとはまた趣が違って、なかなかの見ものでした。
翌日の中日には東京に戻らざるをえなかったのですが、朝に東奥日報を開いたら、2ページ目にこのコラムが載っていて、ちょっと面はゆい思いでした。掲載した新聞をこの目で見たのは初めてです。
私がつけた仮見出しは
経済の「帰郷」と「越境」
しかし、それぞれの地方紙で見出しは違うでしょう。1週間経ったのでここに掲載します。
投稿者 阿部重夫 - 08:00| Permanent link | トラックバック (0)
日本振興銀行前会長、木村剛が本日、検査忌避による銀行法違反容疑で逮捕された事態を受けて、弊誌は同行および木村、小畠晴喜取締役会議長(14日夕に社長就任を発表)をはじめとする同行経営陣に対し、不当訴訟による損害賠償請求訴訟(請求額約3000万円)を提起いたします。
本件の立件に1年以上先駆けて、弊誌は昨年5月号(09年4月20日発行)から4回にわたり振興銀行の内情を調査報道しました。これに対し同行は名誉を棄損されたとして、多額の損害賠償及び謝罪広告掲載を求める訴訟3件を提起しました。弊誌の言論および取材を訴訟によって封殺し、実態が露見するのを妨害しようとするとともに、弊誌報道に追随しようとした他のメディアに対しても「書いたら訴える」と威嚇する意図を持っていたことは明らかです。
投稿者 阿部重夫 - 15:30| Permanent link | トラックバック (0)
熊本日日新聞のコラム「阿部重夫が読む」に書評を載せました。尊敬する経済学者、ジョン・メイナード・ケインズの『確率論』 (佐藤隆三訳、ケインズ全集第8巻 東洋経済新報社)です。
とはいえ、たぶんこの本を書評するなどという無謀な新聞は、ほかにはないかもしれない。歯ごたえがありすぎる。
先日(7月4日)、たまたま東京お台場の「東京カルチャーカルチャー」で、水野俊哉+山本一郎(切込み隊長)+中川淳一郎氏のトークショー「ビジネス本作家の値打ち」を聴く機会があったが、聴衆の誰一人としてケインズのこの本に興味は持たないだろうなということは確信できた。
ケインズは数学者であり哲学者だったのだ。ご興味をそそられても、まだハードルがある。『確率論』のお値段は12000円とバカ高いのだ。でも、その価値はある。乱作されるカツマーの本はあっという間に消えても、この本はずっと残るだろう。
投稿者 阿部重夫 - 08:00| Permanent link | トラックバック (0)
最新号の7月号の一部に訂正があります。
p66~69に掲載したマイク・モチヅキ教授(ジョージ・ワシントン大学)の寄稿記事「普天間で鳩山『四つの誤算』」の記事では、p68最下段の右から4行目、「陸上ヘリポート」を「ヘリパッド」と訂正します。関係者にご迷惑をおかけしました。誤訳を見落としたもので、原文ではHelipadでした。
あわせて、モチヅキ教授の原文をここに掲載します。
投稿者 阿部重夫 - 09:00| Permanent link | トラックバック (0)
政治報道は難しい。
FACTAにおいてもそれは例外ではない。表層に見えるのとは違う動きが水面下で幾重にも錯綜し、突然流れが変わって動き出すと、わずか1日でだれも予測できなかった結果が出てくる。月刊誌の宿命とはいえ、毎月誌面を考えるたびに政治の3歩先を読むのは至難の業である。
とりわけ鳩山政権のように、国家の経綸もなく、経験も浅く、それぞれの政治家の習性や癖も、自民党政権のように知られていないケースだと、ベテラン政治記者の大半は無力感を覚えているはずだ。
現に私の知っていた「閥記者」たちも、わけ知り顔で語るだけで、多くは昔語りになっていった。この政権のつかみどころのなさを嘆き、難じるだけで、内懐に入ることのできないもどかしさがありありである。
投稿者 阿部重夫 - 09:00| Permanent link | トラックバック (0)
1948年、東京生まれ。東京大学文学部社会学科卒。73年に日本経済新聞社に記者として入社、東京社会部、整理部、金融部、証券部を経て90年から論説委員兼編集委員、95~98年に欧州総局ロンドン駐在編集委員。日経BP社に出向、「日経ベンチャー」編集長を経て退社し、ケンブリッジ大学客員研究員。 99~2003年に月刊誌「選択」編集長、05年11月にファクタ出版株式会社を設立した。
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