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2013年4月号の読みどころ

2013年03月18日発行

ソフトバンク、米社買収に暗雲

中国移動(チャイナモバイル)が進めるTD-LTEが、日本のウィルコムでスタートした――。2月にバルセロナの展示会で中国の華為(ファーウエイ)幹部が話したこの一言に、孫正義社長は青くなったかもしれません。中国の華為とZTE(中興通訊)をサプライヤーとするソフトバンク。米国は中国製通信機器への警戒を強め、司法省は1月、連邦通信委員会に対し、ソフトバンクのスプリント買収の認可について安全保障面での審査を待てと要請しました。そこに米セキュリティ会社が「ハッカー攻撃の背後に人民解放軍61398部隊」との報告を発表。いつ認可されるのか見通せない状況に、中国勢と手を切るか、買収条件を変えるか、厳しい判断を迫られそうです。


〔企業スキャン〕アサツーDK――外資の餌食「妖怪人間ベム」

昨年映画化された「妖怪人間ベム」の原作アニメで知られる業界3位の広告会社、アサツー ディ・ケイが今年1月、社長を含む取締役5人を事実上降格するという仰天人事を発表しました。しかも直後に大盤振る舞いの特別配当。上位2社の電通・博報堂との差は一向に縮まらず、業績は低迷、中期経営計画達成にもほど遠いのになぜ? 実は筆頭株主の世界一の広告会社、英WPPから50億円の特別配当を要求されたというのです。いつのまにか外国人株主比率が61%という「茹でガエル」の陥落で、英広告会社イージスを4千億円で買収したばかりの電通にも大きなショックです。


「いつかはゆかし」の化けの皮

「1億円は貯められる。月5万円の積立で。」のキャッチフレーズで金融サービス「いつかはゆかし」を大々的に宣伝するアブラハム・プライベート・バンク。自社サイトに竹中平蔵氏や岩田規久男氏ら錚々たる顔ぶれが登場し、有望に見えるこのベンチャー企業に、疑惑が囁かれています。同社は投資助言業で顧客に合った金融商品を勧めるといいながら、誘導されるのは英領マン島にある会社、ハンサードの積立投資プログラム。高岡社長の親族が出資したペーパーカンパニーを介した不透明なカネの流れが指摘され、覆面サイトでステルスマーケティングの自作自演も……。FACTAが疑惑の全貌に迫ります。


〔時代錯誤の「遺訓統治」〕りそな「東社長」大抜擢の真相

昨秋のりそなHD取締役会で、病床の細谷英二会長が電話を通じ後継者を指名する託宣を下しました。その数日後、会長は死去。そして託宣を演出した人物こそ、後継指名を受けた次期社長、東和浩氏だったのです。「天皇」として君臨した細谷氏はワンマン経営を好み、異を唱える幹部を排除。東氏は敵を作らない人柄で重用されたものの、金融界が認める実績も人脈もありません。りそなが返済すべき公的資金の残高は8700億円。完済へのシナリオ、傘下銀行の再編と課題は山積みで、今後の舵取りが懸念されます。


オリンパスが東証確認書を「改竄」

粉飾の戦犯たちが生き残り、組織の口封じを謀っているのか――。オリンパス報道の先駆けとなったFACTAに、またもや内部告発状が。「1月に東京証券取引所に提出されたオリンパスの内部管理体制確認書に、虚偽の内容が含まれている」というのです。内視鏡の製造企画部担当者が連絡を怠り、監査が確認書の提出締切に間に合わなくなって日付を改竄。しかしオフィシャルな文書を改竄したとすれば、依然として会社の体質が変わっていないことが明らか。関係する製造企画部の数名は今月、福島に異動となっており、笹宏行社長の責任が問われます。


〔稚拙で未熟なニッポン〕中国に受け身「安倍外交」

宣伝上手な安倍内閣にのせられて、2月の日米首脳会談は「大成功」と報道されましたが、欧米メディアは冷笑。会談の実情は当たり前の内容ばかりでした。TPP交渉参加を最優先に、普天間移設、軍事的負担増で米国の負担を軽減、対価として米軍を恃む発想から抜け出せない安倍政権。最大の懸案である中国には強力なルートがなく、遠巻きにするばかりです。しかし米国の対中外交の基本は「仲間に取り込む」。折しも習政権は正式発足で攻勢に転じ、昨秋日中両国に派遣された米国の4人の外交アドバイザーも、中国の主張を汲む兆候が見えています。


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