マイページ | 新規会員登録 | オンライン版について

定期購読のお申し込み | 月刊「FACTA」のご案内 | よくある質問 | ご意見・お問い合わせ | サイトマップ

2010年10月号の読みどころ

2010年09月19日発行

[白川総裁の焦燥] 「鉄面皮」日銀に円高の鞭

追加緩和を出し渋った日銀が、円高と株安の形で市場から不信任状を突きつけられました。14日の民主党代表選で菅直人首相続投が決まった直後、円は1ドル=82円台に突入。翌15日、財務省が6年半ぶりに市場介入に踏み切りましたが、介入資金を吸収する操作をあえて行わず、日銀のバランスシートを膨らませて実質的な量的緩和を行うという「非不胎化」の方針を打ち出しましたが、これは白川総裁が審議役時代に反対した03~04年の量的緩和への先祖がえり。その時の日銀は政府短期証券(FB)の引き受けを半分程度しか行っておらず、今回も口先だけで実質は「緩和サボタージュ」の恐れがあります。円高は「リスク回避の円買い」のせいで、緩和不足のせいではないと言い張る白川日銀は窮地。金融政策の基本「先読み」ができない日銀に政府からも批判の声が高まり、焦りの色は隠せません。


読売「ナベツネ後継」に異変

「世界最大の新聞」読売新聞で、君臨する渡邉恒雄・グループ本社会長兼主筆の「後継者」と自他ともに認めてきた「忠臣」内山斉社長が、「懇親会の席で渡邉会長にメンバされた」との不穏なうわさが広がっています。6月には内山社長の右腕だった子飼いの副社長が、突如退任しました。地方紙への委託印刷で朝日に後れをとり、業務系システム開発も巨額の投資の割には「とても使えない」出来だったことが原因とも言われています。東京・大手町の新社屋建設や、朝日・時事通信と組んでスポーツデータ配信の通信社を創設するという「第二共同通信」構想からもどうやら外されたようです。読売の奥の院で「ナベツネ後継」の座が揺らいでいるのか、新聞業界は息を殺してみつめています。


[「石原利権」の終焉] 築地魚市場移転に「大密謀」

東京都知事宿願の「最後の石原利権」築地市場移転計画。移転先の土壌汚染とその処理コストをめぐって移転賛成派と反対派の対立が続き、昨年は移転反対の民主党が都議会第一党になるととも、中央に政権交代でますます見通しが立たなくなっています。そのなかで推進派が反対派を押さえ込む「密謀」があったのではないか……。疑惑の内部文書をFACTAは入手しました。市場内の仲卸業者でつくる東京魚市場卸協同組合(東卸)の執行部が、組合員への融資事業が原因の負債を返済するため昨年末から「特定調停」を提案しているのですが、融資を回収する債権回収会社を設立、出資したのはすべて理事長をはじめとする移転推進派の理事たちでした。メガバンクに借金を棒引きさせた裏には、借金漬けを救う名目で、反対派の刺を抜いていく思惑があったのでは……。密室で決まったそのカラクリをFACTAが暴くスクープです。


[次世代レースの幕開け] 「トロイカ崩壊」で次世代の暗闘

菅対小沢の権力闘争の陰で、音もなく歯車が回りました。「トロイカ体制」崩壊により、民主党の次世代闘争が始まっていたのです。岡田、野田、前原氏ら「七奉行」の先の代表選での狙いは、時計の針を逆に戻す「トロイカ復活」の阻止。世代交代を推し進める打算で菅氏や岡田氏を担ぐに過ぎません。一方、泥臭い党務を支えてきた松本、松井、伴野氏らは小鳩ラインが糸を引く「七人の侍」として、「七奉行」を突き上げます。仁義なき民主党の次世代レースを分析します。


[中国の北朝鮮カード] 中朝「新提案」に韓国軟化

北朝鮮の金正日総書記はなぜ突然、国境を車で越えて長春で胡錦涛国家主席と会談したのか。44年ぶりの党代表者会議で後継選出との観測にも沈黙を守り、なぞは深まるばかりですが、注目すべきは中国の武大偉・朝鮮半島問題特別代表が、韓国、日本、米国、ロシアを歴訪し、6カ国協議再開へ「新しい提案」を携えてきたことです。提案の中身は明らかではありませんが、中朝首脳会談の結果、膠着打開のために中朝が日米韓ロに新しいボールを投げた可能性があります。拉致問題と民主党代表選を抱える日本は動けないなかで、哨戒艦沈没事件以来強硬だった韓国が軟化の兆しを見せ始めました。日本はまたもやカヤの外でしょうか。


8月27日以降、フリー・コンテンツを順次アップしていきます。