2011年10月号の読みどころ
2011年09月18日発行
ギリシャなどPIIGSの国債がデフォルト(債務不履行)になれば、与信の大きい独仏伊の大手銀行が危うい。銀行間市場で貸し渋りが始まり、短期投信(MMF)を通じて米国に飛び火しかねなくなって、欧州中央銀行(ECB)のほか、米国、日本などの中央銀行総動員で年末越えのドル資金を無制限に注ぎ込む事態に。第二のリーマン・ショックを防げるか、ぎりぎりの攻防。
野田内閣は増税一直線。シナリオを書く財務省の備えは万全です。復興増税は、所得税を一律10%5年間引き上げるか、5%10年間上げる案が浮上。これはまだ序の口で社会保障費の増大を賄う消費税増税が次に控え、そのあとに財政再建のための増税という三段跳びです。与党内反対派が声をあげても、谷垣自民が増税派ですから、与野党修正でがっちり増税のレールを敷く財務省のシナリオ。だが、デフレ日本は背骨が折れる……。
[あの世で幸之助が泣いている!] 政経塾栄えてパナソニック滅ぶ
松下幸之助の薫陶を受けた首相以下、閣僚・党役員に出身者がずらり。野田政権で栄耀栄華を誇る松下政経塾をよそに、本家パナソニックの株価は9月8日、29年ぶりの安値となりました。テレビ事業は壊滅状態、スマホ発売は最後発。次の戦略製品もない惨状です。
スマホのシェア争いでアップルを超えたはずのグーグルが、なぜモトローラ買収に出てきたか。自由度の高い「アンドロイド」の弱点は、仕様がバラバラになって、米国では3-4割が返品という機種も。そこでモトローラの端末部門を買って、iPhoneのような垂直統合型へ舵を切ろうというわけでえす。スティーブ・ジョブズのCEO引退で大きな転機を迎えたIT産業の今を深くえぐります。
[「選挙制度改革政局」の幕開け] 「民公連携」鍵握る細川と成田
野田新政権で内閣官房参与に就任した成田憲彦教授は細川護煕元首相のブレーン。創価学会系月刊誌で「2大政党制から穏健な多党制へ」と主張、政界に波紋を広げています。一票の格差是正を大義名分に、公明党が選挙制度改革を仕掛けるか。衆参ねじれ政局からの脱出へ公明党抱き込みをめぐって、新たな幕が開けました。
9月25日以降、フリー・コンテンツを順次アップしていきます。