2011年9月号の読みどころ
2011年08月18日発行
米国債格下げと、スペイン、イタリア、フランスなど大国に及び始めた欧州「ソブリン」危機で、リーマン・ショックから3年を経て景気二番底とデフレが世界を襲おうとしている。FRBのバーナンキ議長は追加金融緩和を約束してQE(量的緩和)2・5とも言うべき決断をしたが、それは円独歩高を押し戻そうと、日本の財務省・日銀が行った円売り介入と小出し緩和の効果を帳消しにしてしまった。
8月4日付日本経済新聞の「日立と三菱重工統合へ」のビックリ記事は、その日のうちに両社に否定される事態に。前のめりの生煮え報道と、日立・重工それぞれの社内事情が、ボタンのかけ違いにつながりました。「世紀の統合劇」がなぜ会見取りやめという事態を招いたのか、FACTAならではの内幕フォローアップ。
02年の日韓共催サッカー・ワールドカップには、驚愕の裏工作があったことを裏付けるスクープ。日本単独開催にするため、電通がスイスの合弁子会社を通じFIFA幹部に賄賂を渡すよう、800万スイスフランの工作資金を支払う契約を結んでいたのです。その極秘契約書を入手しました。ほぼ同時期に締結した株式売買契約書には電通社長の署名。しかし結果は取られ損の「ボッタクリ」。前号に続きスイスからの特別寄稿です。
「ポスト菅」レースで名乗りを上げた野田佳彦財務相。しきりと自公との大連立を訴え、岡田幹事長ら民主党執行部も推していますが、「財務省言いなり」の増税路線では「選挙に勝てない」との観測。本命不在の中で、「次の首相にしたい人」の世論調査でトップの前原誠司前外相の動向に俄然注目が集まっています。「次回をめざす」と身内に不出馬を匂わせましたが、実は「後出しジャンケン」を狙ったカモフラージュ? 反増税にはっきり舵を切って京セラ創業者、稲盛和夫と小沢一郎元代表が推せば、最後に出るとの観測も。
中国版新幹線の追突脱線事故で、国民の激しい非難の的となった鉄道省。他の政府機関とは異なり文革以前の形態を維持する特殊な組織で、江沢民派の影がちらついていました。共産党の威信を失墜させる大事故を生んだ鉄道省の実態とは。
8月25日以降、フリー・コンテンツを順次アップしていきます。