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2011年3月号の読みどころ

2011年02月19日発行

[日銀の隠れ蓑] 「デフレの正体」信じる愚劣

デフレ「人口減少原因説」を唱え、50万部を超えるヒットになった藻谷浩介氏の『デフレの正体』は、経済付け焼き刃の菅首相も購入しましたが、決定的なのは藻谷氏が「デフレ」という一般的な物価水準の持続的な下落を、耐久消費財などの個別品目の価格下落と混同していることです。確かに、人口要因は需要の大きな構成項目ですが、供給面を考えると、このマクロとミクロの混同は大きな誤解を生みます。それを承知で日銀の白川方明総裁は、金融政策の失敗で起きた日本のデフレを「人口減少」」に転嫁するアリバイに使い、「日本株式会社」の郷愁に駆られる経産省も介入の口実にしようとしています。元財務官僚の高橋洋一教授が、デフレの正しい定義を解き、ベストセラー本を隠れ蓑にする日銀を一刀両断にします。


電通「SEC内偵」と社長交代

2月10日、新聞各紙が一斉に電通の社長交代を報じました。交代理由は「経営陣の若返りを図るため」といいますが、果たしてそうでしょうか。FACTAは発表に先立ち、09年に電通が完全子会社化し、上場を廃止したサイバー・コミュニケーションズ(CCI)の株式公開買い付け(TOB)時に不審な値動きがあり、そのインサイダー取引疑惑について電通に質問状を発していました。証券取引等監視委員会(日本版SEC)からの任意調査について、電通は「全面的に協力」していると肯定しました。5年前、FACTAが創刊号で報じた「電通インサイダー疑惑」と今回の疑惑に関わった顔ぶれは同じ。CCI株の情報漏れで疑われたラインが一斉に「トカゲの尻尾切り」されたのではないのか。電通疑惑をウオッチし続けてきたFACTAの独走スクープです。


[疑惑の巣窟「衆議院支店」] 小沢と「腐れ縁」りそな銀行の狡猾

政治資金規正法違反で強制起訴され、民主党の党員資格も停止されることになった小沢一郎元代表。相変わらず無実を主張しているものの、問題の陸山会の不動産購入に絡み、りそな銀行との不透明な関係も浮上しています。一連の裁判の焦点は、陸山会がいったん銀行を通して裏金を資金洗浄し、表ガネに変えて不動産購入資金に充てていたのでは、との疑惑。りそな銀行は衆参議員会館内に支店を持ち、陸山会の九つの不動産購入で取引を行いました。他銀行が融資を断る政治資金管理団体への直接融資には不自然さがつきまとっています。事件の背後に見え隠れする小沢氏とりそなとの関係とは。


[中東パワー・バランス] 「ムバラク幕引きドミノ」の次

大規模デモの圧力に抗しきれず、エジプトのムバラク大統領がついに辞任、約30年の独裁体制に終止符を打ちました。しかしイスラエルとパレスチナ双方に太いパイプを持ち、中東和平を仲介してきたムバラク体制の崩壊は、米国の対中東戦略を根幹から覆すインパクトを秘めています。浸透するイランの影響力の「盾」として、これまでスレイマン副大統領の下、エジプトの諜報機関が暗躍していました。しかしシナイ半島の北部で遊牧民ベドウィン族がテロを活発化させており、新しい政治体制になれば、エジプトの最大野党である原理主義「穏健派」ムスリム同胞団がどれだけ影響力を持つかによって、中東情勢が一変する可能性も。中東和平の今後、そして米国が構築してきた秩序の行方は。


「水増し」フェイスブックの脅威度

世界最大のSNS、フェイスブックのユーザーが世界で6億人に達したと発表されました。画面内で遊べるアプリのプラットフォーム開放により膨大なアプリが開発され、爆発的にユーザーを増やし、米国ではグーグルのアクセス数を抜いてトップに躍りでました。しかし今月に入って実名登録していなかったユーザーのアカウント停止処分が始まり、実際のユーザー数は不明。それでも、ライバルのグーグルはフェイスブックの背後にちらつくマイクロソフトの影に戦々恐々です。実名登録がネックで日本ではまだ劣勢のフェイスブック、その脅威度と破壊力を検証します。


2月25日以降、フリー・コンテンツを順次アップしていきます。