2013年3月号の読みどころ
2013年02月18日発行
日本人10人が犠牲になったアルジェリアの天然ガス施設テロ事件で、日揮は遺族への配慮を盾に報道管制を敷き、「不慮の事件」「軍の油断と強硬方針」とする世論操作を行いました。本誌はその裏側を徹底取材、BPに比べ生存者数が少ないのは、運不運だけではなかったことを突きとめました。緊急時のマニュアルも訓練もシェルターもなく、軍任せの無防備は、中韓勢との競争でコスト圧縮などの無理を重ねた結果。慢心から情報過疎を招いた日揮の79歳の「天皇」重久グループ代表の責任を問う!
シャープの第3四半期連結決算の発表を受け、各メディアは「復調」と楽観的な報道をしています。しかしスマホの売れ行きが良いとはいえ、お先真っ暗。売れ行きが鈍いアップルiPhone5用の液晶パネルを生産する亀山第一工場は稼働率2割で、このままでは減損処理の対象になり、13年3月期決算の赤字が膨らめば債務超過に追い込まれます。ところが、この期に及んで相談役の町田元会長と片山現会長の間に内紛。町田氏が持ち込んだホンハイとの提携話の交渉期限が迫っているのに、話し合いの場さえ設けられていません。これには「製造業支援」を打ち出した経産省も呆れています。
日銀のかじ取りを任されて5年、本誌の徹底追及で白川日銀が、ついに膝を屈して「物価安定の目標」を導入しましたが、どっこい、1月22日の政府と日銀の共同声明では目標の達成期限は明記されませんでした。さらに各メディアに「無制限買い入れ」と報じさせながら、マネタリーベースの増加は13年度ゼロ、14年度10兆円と、「追加緩和ほぼゼロ回答」。任期切れ間際のこの面従腹背に麻生財務相、甘利経済再生相はまんまと騙されましたが、この最後っ屁は官邸の怒りを招き、白川総裁は前倒し退任を余儀なくされました。
1月29日、東京・ホテルオークラで開かれた豪華な祝宴。日本大学相撲部の監督でもある日大・田中理事長の「偉業」を称えるその宴は300人を超える関係者で溢れましたが、中には妙な噂の絶えない理事長関係者の姿も。そして来賓として挨拶したのは、生活の党の小沢一郎代表。昨年秋の「国民の生活が第一」結党パーティでは、理事長から日大校友会に大動員がかかっていました――。祝宴の3日後には読売が理事長の金銭授受疑惑を報道。FACTAが追う「日本大学に潜む闇」スクープの続報です。
中国海軍のフリゲート艦が海上自衛隊護衛艦「ゆうだち」に火気管制レーダーを照射し、世論は大騒ぎ。しかし照射の当日は北朝鮮の3回目の核実験が最高レベルで警戒されていました。米韓軍事演習のため米海軍の巨艦が近海を航行し、多数の船が配備される中、中国は米軍に対する牽制の「代役」で「ゆうだち」に照射したと見られます。東アジア安全保障上最大の懸案、北朝鮮をめぐり中国が妥協し、米中協力に踏み込む中、照射事件の扱いは米中間で腹合わせ済み。防衛相のパフォーマンスの裏にある日米中関係の深層に迫ります。
2月25日以降、フリー・コンテンツを順次アップしていきます。