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2012年12月号の読みどころ

2012年11月18日発行

〔赤字転落で北尾窮地〕SBI検査が突く二大「急所」

SBIホールディングスは第2四半期決算でついに連結赤字に転落しました。北尾CEOは、本誌が前号で報じたヤフーへの身売り持ちかけを言下に否定しましたが、その大ウソは化けの皮が剥がれかけています。昨年、赤字子会社ホメオスタイルの連結外しをこっそり香港で英文開示した「詭弁」の証拠が明らかになりました。温家宝一族の蓄財に絡んで中国ビジネスも暗雲、SBI株の大株主に村上世彰氏の影も浮上して、いよいよ証券監視委の検査のもとで追い詰められています。


宰相飢饉─「野田以上」がいない悲劇

党首討論で野田佳彦首相が突然の解散表明、政界は一気に総選挙モードへ。ぎりぎりのタイミングでの鮮やかなドラマでした。内閣支持率は20%前後に低迷したものの、野田首相はそれほど酷い政治指導者だったのか。ポピュリズムを排し、国にとって必要なことを実行した点は評価すべきではないのか――。師走選挙を前に、政治コラムニストの田勢康弘氏が渾身の特別寄稿。野田政権が示した課題から混迷する政局を見据えます。


〔シャープの二の舞いか〕パナソニックの「時限爆弾」

津賀社長曰く「普通の会社ではない」。2期連続で7千億円超の大赤字なのに、広告宣伝費はトヨタを大きく引き離す断トツのトップ。社員より宣伝費が大事とは、確かに世間の常識からかけ離れています。中村前会長の「V字回復」は、批判を封じ込めメディアを手なずけて作り上げた「虚像」でした。8千億超で買収した三洋電機は価値目減りで連続の減損処理。三洋絡みの時限爆弾も抱えており、このままでは不仲のシャープの二の舞いです。


〔日中緊張で漁夫の利〕プーチン、ガス開発で日本釣る

日中、日韓の緊張状態に目を光らせるロシアが、急速に日本に近づいてきています。欧州で苦戦する天然ガスを極東で売り込むことが急務の上、最大の貿易相手である中国に対しても警戒感を強めているからです。この秋、日ロはウラジオストクのLNGプラント建設で協力覚書に調印。しかしプラントの供給源のガス田開発は3兆円のコストが見込まれ、プーチンが北方2島返還を飴玉に投資を迫る可能性も。割安なサハリンからのパイプライン構想も浮上し、安倍次期政権は「コスト」か「領土」かの選択を迫られます。


〔習政権に負の遺産〕胡温「失われた10年」の幻滅

中国共産党の新指導者、習近平が11月15日、正式に党総書記に就任、国家主席と中央軍事委主任を兼ねる名実ともにトップの座に就きました。新常務委員の顔ぶれは江沢民派の影響力を窺わせます。完全引退となる胡錦涛は、18大の活動報告で自らの執政を自画自賛。しかし実態は権力闘争と不作為の年月でした。過去の経済改革で高度成長を遂げたものの国有企業の独占を許し、民営・外資を排除。報道統制は強化され、格差は拡大、党幹部は腐敗しました。経済、内政、外交の悪化に直面する新政権は、この「負の遺産」を背負って船出しました。


11月25日以降、フリー・コンテンツを順次アップしていきます。