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2010年11月号の読みどころ

2010年10月19日発行

[中国バッシング]人民元に「新冷戦」包囲網

「人民元相場は過小評価」。リーマン・ショック後、人民元切り上げをストップさせてきた中国に、通貨安競争で輸出を増やしたい米欧が包囲網を敷きました。先のワシントンG7、そして今週のソウルG20でも中国は矢面に立っています。9月の国連総会で中国の温家宝首相は、急激な人民元切り上げは国内の政情不安をもたらすと訴えていますが、米国では下院で元安に相殺関税を課す対中制裁法案が可決。上院での可決の可能性もあります。レアアースの対日輸出停止で、WTOご法度の“貿易報復”に出た中国は米国のトラの尾を踏み、「新冷戦」を思わせる封じ込めの対象となりつつあります。劉暁波氏のノーベル平和賞受賞も内政干渉と神経を尖らせる中国の胡錦涛政権は、内外で圧力にさらされる事態となりました。


[ガラパゴス回帰] 最強サイバー兵器に通信業界乱流

国際社会の経済制裁を押し切って核兵器開発を進めるイランの原子力施設を狙ったコンピューター・ウイルスなのか。新種「スタクスネット」にITセキュリティー会社が非常事態を宣言。最終的な標的は、発電所や原油添削プラントに使われるシーメンス製の工場管理システムで、プラントの停止や爆発も可能です。このウイルスに感染したコンピューターの60%はイランに集中しているというのです。過去に類をみない高度なこのウイルスは、資金と人材を投与しなければ作れません。黒幕は国家ではないのか……。疑心暗鬼の「サイバー摩擦」が深刻化し、世界の通信ビジネスはグローバル化の波から一転し、競争よりセキュリティーが最優先となり、日本もドコモ独占へ回帰する流れです。


[農政の怖いもの知らず] 菅の危ない賭け「環太平洋FTA」

10月8日、新成長戦略実現会議の席で激論が交わされました。焦点は、米国や豪州などとの貿易や投資の完全自由化をめざす「環太平洋連携協定(TPP)」に参加するかどうか。議論の末、菅首相は11月のAPEC首脳会議までに基本方針を決定するとの指示書を読み上げました。FTAでは韓国に先を越されており、農政に疎い首相が政権の起死回生につなげたいとの思惑が透けて見えますが、TPPは日米、日豪のFTAを同時に結ぶに等しいのです。この衝撃に農林族はどう出るか。重い戦略的決断の行方は。


[中国とどう付き合うか] 「中国人船長釈放」は米国の指示

日中政府に傷を残した尖閣諸島周辺での船長逮捕事件。領有権論争では明らかに日本に分があり、騒ぎ立てずに収めてきた双方の思惑もありました。今回、「親中派」のレッテルを恐れる外務省は、戴秉国国務委員からの丹羽大使との会談の求めに「深夜の呼び出しは無礼」と息巻きましたが、事実は少しずれています。それを仙谷官房長官はどこまで知っていたのか。そして政府の迷走の中で、船長釈放はなぜ行われたのか。軍事ジャーナリスト田岡俊次氏の寄稿で騒動の全貌をお伝えします。


[特捜検察の宿痾] 最高検も同根「虚妄の正義」

朝日のスクープで瓦解した「検察の正義」。現役検事3人の逮捕で前例のない事態に陥った検察一家……。しかしこのスクープ自体、実は検察のリークによるものです。リークによってメディアを操作し、都合のよい正義をデッチあげるのが検察の「宿痾」。ならば今回の被疑者たちと攻める最高検チームは、ほとんど相似形を成しています。3人の逮捕で失われた正義を取り戻せるか。告発した若手検事と被疑者との関係、「トカゲのしっぽ切り」で済ませたい検察首脳の思惑を深層まで探って、病巣の核心をお見せしましょう。


10月25日以降、フリー・コンテンツを順次アップしていきます。