2012年5月号の読みどころ
2012年04月18日発行
決算期末ぎりぎりの3月30日、SBIホールディングスは連結子会社「SBIアラプロモ」の保有する株式の一部を売却し特別利益を計上する見込みと発表しました。特別利益は42億円とされ、逆算するとアラプロモの時価総額は720億円以上。しかし業績はお寒い限り、サプリ卸で売上高6千万円なのに毎年約10億円の赤字を垂れ流し続けているのです。どうすればこの赤字企業を720億円に化けさせることができたのでしょう。期末駆け込みの無理算段、謎は深まるばかり。独走スクープ続報です。
時価総額6千億ドルの大台に乗り躍進を続けるアップル。しかし海を隔てた中国では、商標権よりもっと大きな問題が噴出しています。中国の生産拠点が長時間、低賃金労働のスエットショップではないかとされ、中国次期首相候補の李克強が、訪中したクックCEOに待遇改善を求めました。問題は自社工場を持たないアップルを支える鴻海グループ系中国子会社、フォックスコンにあります。日本のシャープにも出資する鴻海は、こだわりのアップル仕様に応じることのできる唯一のメーカー。そこがアキレス腱であることが浮き彫りになり、「カリスマ」ジョブズ亡きあと最大の試練を迎えようとしています。
衛星打ち上げと言い張った北朝鮮のミサイルは、空中爆発で黄海に落下、金正恩新体制の打ち上げ花火は失敗に終わりました。米日韓など国際社会が圧力を強めるのは必至ですが、第一書記に就いた金正恩にとって、これは父金正日の遺訓を貫徹し世襲の正統性を証明する事業であり、さらにミサイル開発を主導する北朝鮮人民軍の意向を無視できないことからも、これ以外に選ぶ余地はありませんでした。その失敗で威信に傷がついたうえ、浮かび上がってきたのは軍の内部に熾烈な権力闘争があったことです。
宮城県のガレキ処理事業で談合復活がささやかれ、公正取引委員会が本格的に調査に乗り出しました。「談合の元締め」として君臨するスーパーゼネコンがやはり浮かんできました。FACTAが入手した内部資料では、宮城県の処理業者受注額で鹿島建設が全体の28%近くを占め、突出しています。地元では過去の談合事件などでゼネコン各社が機能停止し、今や受注調整の舞台は東京。復興予算を掠め取る談合復活の構図を詳報!
3回連続でお伝えしているLED照明事業で一流企業が食い物にされる闇。既報の電通連結子会社「電通ワークス」の水増し発注疑惑で、ついにこの子会社がLEDから撤退することになりました。「警察に相談しており刑事告訴の予定」といいますが、120億円分の巨額発注の裏には、直接間接に循環取引が絡んでいたのです。売り上げがほしい同社と、代理店という名のブローカーたちの思惑が合致。節電時代の寵児、LED照明をめぐる粉飾、水増しの複雑な取引を、警察に先駆けて本誌が解剖します。
4月25日以降、フリー・コンテンツを順次アップしていきます。