2012年1月号の読みどころ
2011年12月18日発行
1月にも格下げで国際取引やデリバティブ取引に支障。3年前にリーマンの欧州部門を買収した野村の資金繰りに関する噂は夏から欧州で広がりましたが、火元は英国の金融監督当局FSA。日本の当局に指導を打診、欧米格付け会社も野村にヒアリングを開始しました。焦る野村に日銀は「救済」サインを出し切れず、株価は11月にストップ安。金融庁が強力な監視体制を組む中、メガバンクとの資本提携は実るのか。銀行免許を取らせて預金保険法を発動する奥の手も。
証券界の異端児、北尾吉孝のSBIのからくりが透けて見えました。9月に公募価格の2倍の初値がついたベンチャー企業「Klab」の新規公開株。この「金の卵」を組み入れていたSBIグループが運営する匿名組合が、上場前の5月にSBIの他のファンドにこの株を譲渡してしまっていたのです。それで濡れ手に粟となったのはSBIの役職者専用ファンド。この付け替えはまさに野村の遺伝子である「客殺し」ではないでしょうか。FACTAが匿名組合の死屍累々の運用実績データを入手して放つスクープ。
第三者委員会の調査報告、14日の決算訂正提出で、当面の上場廃止をなんとか回避したオリンパスは、第2幕が開けました。ウッドフォード社長解任から1カ月、ゴールドマン・サックスが盛大な空売りを仕掛けて株価が乱高下。それに憤った政府は、官邸と財務省・厚労省・経産省がスクラムを組んで外資排除に動き出し、ソニーや富士フイルムなどに買収を打診しました。懲りない官民が「グル」になった経済ナショナリズム台頭で、海外の日本市場離れに拍車がかかりそう。
[かつてのジリ貧日産とそっくり] パナソニック「1兆円赤字」転落も
1万5千人が路頭に迷うとも言われる大リストラを進めるパナソニック。しかしタイミングは時すでに遅し、パナはもはや存亡の危機に直面しています。2012年3月期連結決算の見通しは4200億円の純損失、繰り延べ税金資産の取り崩しを迫られれば1兆円規模の赤字転落の可能性も。なのにテレビに代わる成長戦略は見えず、中村会長が権勢をふるう相変わらずの経営姿勢。逐次的リストラを繰り返すその姿は没落企業の典型です。
特別寄稿・清武英利(前巨人軍代表)「渡邉独裁」はオリンパスと同病
12月13日、読売新聞グループ本社と巨人軍、渡邉恒雄球団会長を提訴した渦中の清武英利氏がFACTAに特別寄稿。ナベツネ氏の恫喝や虚偽発言の数々、イエスマンと化したかつての同僚や後輩たち、その日のナベツネ発言を幹部に逐一メール送信するお付きの広報部員……。老齢の「最後の独裁者」が君臨し続ける読売新聞の病を告発する!
12月26日以降、フリー・コンテンツを順次アップしていきます。