りそな「東社長」大抜擢の真相

オーナーでもない細谷会長が死の床から後継指名とは。金融界で全く無名の新人に大銀行の舵取りができるか。

2013年4月号 DEEP [時代錯誤の「遺訓統治」]

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やせ細った老人が、病床から蚊が泣くような声でぼそぼそと喋る。昨秋のある日、りそなホールディングス(HD)が開いた取締役会(電話会議)で、グループの命運を左右する託宣が下った。声の主は、2003年の実質国有化以降、りそなHDに「天皇」として君臨してきた細谷英二会長。この数日後、息を引き取ることになる。託宣の内容は、檜垣誠司社長の後任人事に関するものだった。細谷は12年4月に代表権を返上してからも、特定の人物に権限を集中させずに、檜垣らによる「集団指導体制」をつくりあげ、隠然たる権力を振るった。死の間際になって、自らの意を体する人物を後継者に指名したが、この場面を演出した人物こそ細谷から後継指名を受けた東和浩副社長だったという。

「自己主張しないイエスマン」

4月に社長に就任する東は、中核子会社のりそな銀行社長も兼任。りそな銀行の岩田直樹社長は代表権を持たない銀行会長に就き、檜垣H ………

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