2009年1月号の読みどころ
2008年12月19日発行
ついにアメリカはFRBが事実上のゼロ金利を決断しました。無理もありません。世界的な大企業でさえ、12月末の年越えに難渋するほど、流動性の枯渇に苦しんでいます。欧州でも中欧や東欧で資金繰りに火がつき、隣の韓国でも資金の劇的な流出でウォン安を防ぐため米国、日本、中国との通貨スワップ枠を拡大するほど。サブプライム危機では傷が浅かったはずの日本も経済指標が急激に悪化、今や暴風雨圏に突入しました。企業の財務担当者たちの悲鳴に、日銀は応えられるのか。FACTAが鋭く分析します。
米自動車ビッグ3救済が迷走しています。12月11日、救済法案が米上院で事実上の廃案になりました。年末の時間切れが迫り、つなぎ資金を政府に求める最大手GMが瀬戸際に立っています。連邦破産法11条の適用を申請するかどうか、選択を迫られることになりそうです。しかしGMが破綻した場合、米国産業界に与える影響の大きさとともに、日本企業への影響も無視できません。GMは今後、生き残りに向けてどんな策を打とうとしているのか、起死回生のチャンスはあるのかを検証しました。
この秋、皇太子妃が久々にいくつかの公務に姿を見せた矢先の事態。天皇陛下のストレスから来る不整脈、胃や腸の炎症が伝えられ、さらに羽毛田宮内庁長官が、雅子妃の適応障害の原因をめぐっての論調に「両陛下が深く傷つかれた」と異例の発言。家族の距離が一向に縮まっていないことが白日の下に晒されました。孤立する皇太子夫妻と一向に進まない皇統についての議論。09年に在位20周年、結婚50周年の節目を迎える陛下に、周囲も心を砕いています。
「平民首相」のイメージだった中国・温家宝首相が、景気後退などのスケープゴートに擬せられ、火の粉がふりかかっています。首相と密接な関係にある国土資源部弁公庁主任・呂国平が、収賄などの容疑で取り調べを受けているほか、香港財閥の李嘉誠の二男、リチャード・リーと手を組んだ息子、温雲松の腐敗疑惑も浮上、平安保険の大株主と目されることから、中国株式市場制度の抜本改革を求める声が大きくなっています。その妻の宝石好きも槍玉にあがり、下手をすると温首相が辞職に追い込まれる可能性が出てきました。
世論調査で内閣支持率が急落し、今や中堅・若手だけでなく自民党ベテラン議員たちも、麻生首相の指示をことごとく無視し始めています。首相の権威失墜で、もはや公然となった「ポスト麻生」の動き。再編を睨んで蠢き出した政界の今後は、いくつかのシナリオが考えられるでしょう。ただし、現状では麻生首相は辞任もできず、解散も先送りで宙ぶらりん。現状維持派、反麻生派、民主党の三すくみ状態を動かす方法はどこにあるのでしょうか。民主・小沢代表の読みとは……。
オリックスの株価が一時4000円を割り込み、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)でも保証料率が13%をつけました。証券監視委に「事実に基づかない情報が流布されている」と調査を依頼し「資金調達には懸念がない」とリリースを流したものの、オリックスの不安説は消えていません。破綻寸前と見られていたジョイント・コーポレーションへの資本参加など、不動産事業をめぐる社内の動きの意図は何か。異例ずくめの1500億円転換社債発行の舞台裏とは。オリックスの現状をお伝えします。
12月25日以降、フリー・コンテンツを順次アップしていきます。