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2009年7月号の読みどころ

2009年06月19日発行

[景気回復のミラージュ] 米長期金利に「ドル売り爆弾」

6月初旬、ガイトナー米財務長官が中国を訪れ、かつて語学留学した母校北京大で講演しました。質疑応答で学生たちに「米国債は安全?」と聞かれ、嘲笑を浴びる屈辱。しかし、この「事件」に米メディアが沈黙したのは、中国が米国債の最大の保有者であり、しかも短期国債にシフトさせているという事情があります。国債を増発しながら長期金利安定を狙うオバマ政権のゼロ金利政策は一時成功するかに見えましたが、5月下旬には米国債売りが加速、長期金利は一時4.0%まで上昇しました。投資資金はドルを離れて新興国通貨に向かい、低金利政策の綻びが見え始めています。


[企業スキャン] みずほFG――「コーポレート銀行」の病巣

4月に新体制が発足、間近に迫ったみずほフィナンシャルグループ(FG)の株主総会開催を前に、前田会長や斎藤みずほコーポレート銀行(CB)会長は戦々恐々。日本最大のサブプライム損失や斎藤会長の「路チュー」スキャンダルの責任もとらず、みずほ銀行(BK)とあわせて3トップが会長職に就いたものの、内情は何度も怪文書が出回る異常事態。早くも佐藤CB頭取の“スキャンダル”をほのめかす文書も飛び出しています。CBはこの春、金融庁検査で執拗に調べられ、純益や自己資本比率も他のメガバンクに見劣りする状況。グループが抱える問題にFACTAが正面から迫ります。


新日鉄の仮面剥ぐ内部告発

このほど独占禁止法改正案が成立し、課徴金の適用範囲を拡大しつつ減免制度(リニエンシー)の拡充も盛り込まれました。ところが、このリニエンシーの悪用を指摘する内部告発文書が出回っています。俎上に載せられたのは大手鉄鋼メーカー間の事前謀議、そして新日鉄幹部のカルテル隠蔽工作。隠蔽した幹部はその後首脳部に出世している模様。本当だとすれば業界の談合・カルテルの体質は変わらず、公取委はみすみす課徴金を取りはぐれていることになります。


[霞が関天下り機関復活] 郵政・政投銀「民営化」逆戻り

日本郵政社長人事はこじれた挙げ句、鳩山総務相が辞任。残った西川善文社長は今のところ株主総会で続投の方向に見えますが、肝心の郵政民営化にはすでに赤信号が点っています。その根拠は、郵政民営化とコインの裏表の関係にある政策金融改革で、2012~14年に完全民営化が決まっていた日本政策投資銀行の行方。「未曾有の大不況」への対応を口実に、民営化を骨抜きにする改正案が可決されたのです。本来は改革で公的貸出市場が縮小され、民営化後の郵貯が無理なく信用リスク業務に参入できるはずが、このままでは失敗に終わりそう。政策金融機関が霞が関各省の実行支配に逆戻りすれば、自ずと運用の“出口”を持たない日本郵政も、その命運は見えてきます


[もう始まった「大連立」政局] 政権交代の次なる修羅場

小沢一郎氏が代表の座を降りてから民主党が復調、さいたま市と千葉市の市長選で2連勝して、再び政権交代機運が高まっています。しかし、「政権を取っても民主党には政権担当能力がない」というかつての小沢発言の状況は変わりません。いったい「政権交代」とは何なのでしょう。読売新聞のドン、渡邊恒雄氏が主催する「山里会」に呼ばれた前原誠司・元代表が、何食わぬ顔で「大連立はどこまで本当にあり得た話だったんですかね」とナベツネに聞きました。「反小沢」の前原もまた「連立」の意思あり、とシグナルを送ったのです。民主党の政権奪取後、自民・民主の垣根を超えて戦国時代が始まる……。


[雑誌メディアの腐臭] 新潮社「鉄面皮」の系譜

全メディアの失笑を買った週刊新潮「朝日新聞阪神支局襲撃犯」の捏造スクープ。後味の悪い言い訳の後、交代した新編集長のもとで「官房副長官密会」スキャンダルで鴻池氏のクビをとる起死回生のスクープを飛ばしましたが、これもネタ元をたどれば筋の悪い話。物語として面白ければ虚実も二の次にする体質は、戦後週刊誌の先陣を切ったこの雑誌にいつから巣食ったのか。「鬼畜系」路線を敷いた張本人は誰なのか。創価学会と死闘を繰り返し秘密のヴェールに包まれた新潮社の心胆を寒からしむる、内幕をえぐる批判――。


6月26日以降、フリー・コンテンツを順次アップしていきます。