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2006年10月号の読みどころ

2006年10月20日発行

(1)日中首脳会談へ台湾カード
9月13日に配信した号外メールマガジンで、「安倍氏が10月にも日中首脳会談」と題して、本誌の発売日まで寝かせておけなくなったスクープ記事の要約版をお届けしました(※詳しくは、12日の編集長ブログ「予告スクープ――もう一丁!」をご覧ください)。本誌では詳細版を掲載しています。

安倍新首相が就任早々の10月にも北京で胡錦涛国家主席と首脳会談を行い、その途上でソウルに立ち寄って盧武鉉韓国大統領とも会談する「サプライズ外交」に踏み切ろうとしています。11月18、19日にベトナムで開かれるAPEC首脳会議の場での日中首脳会談では「埋没してしまう」からで、一気に訪中を実現することで党内外の反安倍派の「アジア外交批判」を封じようとしています。

この動きをいち早く察知した韓国は、9月6日、訪韓した谷内正太郎外務次官に北京より先にソウルに立ち寄ることを求めています。(韓国側の思惑についての詳細は、p64~65「日中『頭越し』接近を恐れる韓国」をご参照ください。)

安倍・胡会談実現に向けた布石は日中の間で早くから打たれてきましたが、その実現の決め手は「台湾切り捨て」というカード。靖国問題で曖昧戦略をとる安倍氏は、森派にとって福田赳夫氏以来の伝統だった「親台湾」から大胆に一歩踏み出そうとしています。8月23日、李登輝前台湾総統の来日延期が小さく報じられましたが、この裏側では安倍・李登輝会談のキャンセルがあり、日中は大きく動いていたのです。


(2)<企業スキャン>イオングループ――岡田父子の超「膨張経営」
ローソン買収説も浮上し、水面下の動きが注目されているイオンですが、先月末、ダイエーとの提携が報じられました。ドンデン返しがなければ、10月初めにも年商6兆円強の「イオン・ダイエー」巨大流通連合が誕生します。2000年に相談役となり現役を退いたカリスマ創業者、岡田卓也氏は引き際に「グローバル10(世界の小売業でトップ10に入る)」構想をぶち上げ、失笑を買いましたが、その後の軌跡は卓也氏の描いたシナリオどおり。引退したはずの卓也氏がイオンのM&A戦略をすべて決裁し、息子の元也社長は一歩引きながらも協力する、という親子鷹経営でM&Aを繰り返し、「グローバル10」もいよいよ視野に入ってきました。巨大な自転車経営にもみえる危うさを乗り切っていけるのか、その超「膨張経営」を分析します。


続いて、各分野の目玉記事です。

(3)年内再利上げ日銀「板挟み」
本誌前号が指摘した「世界景気の悪寒」がじわじわと実感されるようになってきました。国内の景気指標ではネガティブな「想定外」が相次ぎ、韓国では景気下降が予想より早く進行しています。8月に総務省が発表した7月の全国消費者物価指数(CPI)は、基準年が2000年から2005年に変わったことで数値が大きく変わり、計量モデルを使いこなしているはずのエコノミストを含め、政府や市場の誰もが一瞬、物価上昇に急ブレーキがかかったような錯覚にとらわれました。数値の剥離は追加利上げについての世間に対する説得力も弱めてしまい「どちらに転んでも責められるのは我々」と日銀幹部を悩ませています。


(4)<集中連載>六本木ペニンシュラ-町田久之の戦後史・上
創刊号の「『バブル』終わりの始まり(p6-9)」で六本木の巨額地上げに触れましたが、本連載ではそのビルの持ち主だった暴力団東声会会長の在日韓国人、故町井久之氏の生き様に迫ります。大理石をふんだんに使い、高価な骨董品や宝石などを揃え、贅の尽くされた彼の「要塞」は、日韓の封印された戦後史そのものでした。戦後、腕力を武器に焼け跡の銀座で名をあげた町井氏は、フィクサー児玉誉士夫やプロレスラー力道山との交流を足がかりに政界にパイプを築き、日韓国交正常化の裏で橋渡しの役割を果たします。その後、実業家に転身、彼の“理想郷”の追求が始まります。会員制の高級社交クラブ「TSK・CCCターミナル」をオープンさせ、福島県では土地開発にも乗り出しますが、いずれも行き詰まり、理想は見果てぬ夢に終わります。町井が悶々と日記に綴った言葉とは…?

新聞記者の城内康伸氏が書く渾身の評伝です。


(5)中国がバチカンと「和解」
コミュニズムを国是としながら市場経済を導入している中国では、今なお「宗教は阿片」として宗教組織は政府や党の規制下にあり、法輪功など新興宗教は徹底した弾圧を受けてきました。キリスト教カトリック教会も「地下」教会の聖職者が投獄され、ローマの司教任命権を北京は否定してきましたが、歴史的な和解を迎えようとしています。6月にバチカンの密使が北京入り、8月には10年間獄中にあった地下カトリック教会の神父が釈放されました。10月にも国交正常化を決め、来年にはローマ法王が初訪中する可能性が出てきました。ただ、裏では地下教会の“毒消し”の布石も打っており、信者数の多いプロテスタントには引き続き警戒姿勢を緩めていません。これもFACTAが世界に先駆けて独自に掲載したスクープです。


(6)お坊ちゃま宰相の「賢妻孟母」
FACTA創刊号では、安倍新首相がもっとも信頼するのは昭恵夫人であることを報じました。日本ではファーストレディーの影響力は意外と侮られていますが、これまで昭恵夫人はファーストレディーの予行演習に怠り無く、安倍氏に対して携帯メールで時々の政治課題についてアドバイスをしてきました。ホワイトハウスを意識した「官邸主導の強化」からもいえることは、新官邸の命運を左右するのは、昭恵夫人や安倍夫妻を叱咤する母の洋子さんになることを本誌は大胆に予測します。新たな政界実力者にのしあがった中川秀直氏の影響も高まります。こうした安倍新首相の人間的資質を解くカギは、長かった議員秘書時代に培われた習性にあります。


(7)「資本のハイエナ」相関図
日本の資本市場を覆い、複雑怪奇に絡み合う蜘蛛の巣のような相関図が何種類も出回っています。業績不振企業に有名無名の投資家やファンド、仕手筋が鈴なりになったもので、原図は仕手株を扱う証券関係者が作り、それらが日本版SECやマスコミに流れて修正や加筆を施され、洗練されていきます。

本誌も相関図を作ってみました。ライブドアや村上ファンドも、そうした蜘蛛の巣の一部でしかなく、その数十倍の規模でM&Aを使った「錬金術」が繰り返されています。相関図を通して、ファンドという隠れ蓑が暴力団の資金洗浄に使われている実態、マネーゲームから抜け出せない闇経済の「資本のハイエナたち」を洗い出します。


10月号のフリー・コンテンツは以下の5本です。10月1~4日にかけて、順次アップしていきますので、ぜひお読みください。

10月1日掲載
★実質値上げ「ドコモダケ」の真実
番号継続性を前に「オトク」プランでつなぎとめ。でも「飴」と見せて「鞭」を繰り出す、朝三暮四の手品が隠れている。

10月1日掲載
★「楽天」と「CCC」統合説が浮上
八方塞がりの三木谷社長。土壇場で起死回生の一打となるか。

10月2日掲載
★「地デジ」カウントダウンの錯覚
あなたはテレビをいつ買い替える?地上アナログ放送停止のタイムリミットは前倒しか。

10月3日掲載
★低迷巨人軍切り離しの荒療治
巨人の凋落は読売新聞に挽歌を告げる予兆か。巨人軍切り離しの荒療治が浮沈のカギを握る。

10月4日掲載
★オンラインゲームも「資金洗浄」の餌食
仮想通貨を扱うオンラインゲームサイトがマネーロンダリングの餌食となり、被害続出。