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2009年5月号の読みどころ

2009年04月19日発行

[オバマノミクスの裏側] 世界景気「早期回復」の死角

オバマが音頭をとり、英国のブラウンが手拍子、麻生が踊る――その麻生首相が英経済紙「フィナンシャル・タイムズ」1面を晴れがましく飾った“真水"15兆円の追加経済対策は、少なくとも米英は大歓迎。先のロンドンG20でガイトナー米財務長官が各国に求めたGDPの2%相当の財政刺激を大幅に上回っているからです。58年ぶりの長期国債買い切りに踏み切ったアメリカの金融緩和で、世界の株式相場も上昇に転じ、景気の早期回復ムードが漂い始めています。――しかし、オバマノミクスには死角があります。それは米金融機関が抱える膨大な不良資産。公的資金注入には限りがあり、財政・金融両面のカンフルが切れたら、景気は二番底を迎えるのではないでしょうか。


「みずほ」に公的資金注入の悪夢

貸し渋りの回避や銀行の自己資本比率規制強化のため、金融庁が大手行に資本増強を迫っています。政府は金融危機対応の資金枠を12兆円に拡大しており、自力増資ができないなら公的資金の注入を迫る模様。その標的が「みずほフィナンシャルグループ」です。自己資本の劣化に加えて過剰債務企業を多数抱え、新たな普通株発行は困難。社債市場でも永久劣後債を償還しないと発表したことが物議をかもしています。とりわけ、旧興銀のみずほコーポレート銀行では斎藤宏前頭取(現会長)が「路チュー」スキャンダルや巨額損失の責任をとっておらず、このことも金融庁の不信を招きました。みずほの現状を詳しくお伝えします。


[企業スキャン] 日本航空――政投銀「追い貸し」の劇薬

度重なる政府支援にもかかわらず、大不況がビジネスクラスや貨物を直撃して業績が急降下、日本政策投資銀行にメガバンク3行も加わって2千億円程度の追加融資が決まりました。安易な支援はモラルハザードを招くと批判もありましたが、選挙前の法的整理の事態は官邸が許さず、財務省が政投銀を説得したといわれます。ただし肥大化した人員を整理し、不採算路線を廃止する「流血淋漓」の大ナタとセット。このナタを振るうのは誰か。瀬戸際を歩む日航の舞台裏を追跡したリポートです。


[「5月解散」が薄れた真相] 小沢と二階「相討ち」政局

取り沙汰されていた「5月解散」の可能性は急速に萎みました。15兆円の追加財政支出の効果が期待されたほどでなく、内閣支持率が20%台にとどまったためです。7月には都議選やG8があり、解散は任期満了近くまで先送りされたも同然。麻生首相が4月に新設した諮問会議「安心社会実現会議」には渡邉恒雄氏など錚々たる顔ぶれが揃い、当面の「麻生支持」態勢が固まりました。今後の展開の焦点は、二階俊博経済産業相周辺の強制捜査と民主党の小沢一郎代表の進退。「ポスト麻生」「ポスト小沢」をめぐり、自民と民主のシーソーゲームになる可能性大です。


「木村剛銀行」が堕ちたケモノ道

2月に経営破綻した商工ローン最大手、SFCGが巨額の債権を二重譲渡していたことが明るみに出ました。重複譲渡先は日銀出身のコンサルタント、木村剛氏が会長を務める日本振興銀行。しかしこの二重譲渡、「出来レース」では? という疑惑が拭えません。振興銀は設立当初、融資先開拓で苦戦、改正貸金業法で窮地に立った消費者金融や商工ローンなどへの卸金融に活路を求めました。SFCGとも提携し、債権買い取りの陣頭指揮をSFCGの社員が執るなど一体化していたのです。窮地のノンバンクを食うビジネスモデルは、実は1000万円までの預金は銀行がつぶれても全額保証する「ペイオフ」を人質にしたもの。小泉政権下の金融庁が「新しい形態の銀行」として認可した経緯があるだけに、“ガン化"した木村剛銀行は金融庁の十字架になっています。


4月27日以降、フリー・コンテンツを順次アップしていきます。