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2009年4月号の読みどころ

2009年03月19日発行

[企業スキャン] 野村グループ 「おくりびと」渡部社長の無謀

「野村の本体は絞り込め」という野村証券の伝説のご意見番、“志茂明の遺訓"を破った渡部賢一・野村ホールディングス社長。昨年、破綻したリーマン・ブラザーズの欧州やアジアなどの部門を買収し、グループ中核は世界で2万人余の巨体に膨らみました。しかし株式市場の落ち込みで最終損益ベース4923億円もの赤字を計上、一方で元リーマン社員の高額の年俸は据え置きと、国内営業部門の不満は募るばかり。金融商品設計の主導権はロンドンに譲り渡し、従来の製販一体を放棄した。自己資本比率は危険水準が近づき、3千億円の公募増資を打ち出しましたが、4割もの希薄化で野村株が急落しています。世界で唯一「巨大投資銀行」をめざす暴虎馮河に、野村は生き残れるのでしょうか。


[米国「ゾンビの巨人」] 「バケツに穴」シティとAIG

3月10日、ニューヨーク株式市場がにわかに上昇しました。種明かしはシティグループのパンディットCEOが社員に送ったメール。米政府の3度目の支援策でも自己資本比率は上昇せず、株価は1ドル割れという惨状に、窮余の議会対策として「1~2月は利益を計上」と意図的にリークしたもの。さらに惨憺たる状況なのが、巨額のボーナス発覚で非難囂々のAIG。損失は膨張を続けて政府支援を受ける前の状態を上回り、つぎ込まれた資金はAIG保証のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)を組成したゴールドマン・サックスなどの金融機関に渡っています。賽の河原に浮かぶ「春のミラージュ」……。


東芝の「自己資本」が危ない

「選択と集中」で評価を上げた東芝の西田社長ですが、3月18日、退任が発表されました。背景にあるのは経営資源を集中した半導体事業の年間2900億円の営業赤字。設備投資は圧縮に次ぐ圧縮。先行きが見通せない状況です。09年度の3千億円を超える資本増強が発表されたものの、10%割れが懸念されている自己資本比率がさらに目減りする可能性もあり、「本当に増資ができるのか」との不安も囁かれます。社長交代を余儀なくされた東芝の現状をリポートします。


[パシフィックHD破綻] 冨山和彦の裏に「怪中国人」

FACTAが2回にわたって報道してきた不動産投資ファンド運営大手、パシフィックホールディングスの幻の「増資計画」。ついに3月10日、パシフィックHDは単体で1636億円の負債を抱え、倒産に至りました。経営共創基盤の冨山和彦CEOが設立した「中柏ジャパン」を通して来るはずの中国マネー470億円は、M資金詐欺と構図がよく似ています。裏では「中国最高幹部のご落胤」を名乗る謎の中国人が暗躍していました。彼の足跡を辿れば、詐欺で訴えられた事件も含め、過去に何件も資金導入を持ちかけたトラブルが浮かび上がってきます。経営共創基盤はなぜ彼と組んだのか。独走スクープ第3弾です。


[岡田vs鳩山の行方] 「ポスト小沢」に鳩山指名か

西松建設疑惑に絡み政治資金規正法違反容疑で公設第一秘書が逮捕され、民主党・小沢一郎代表の辞任は時間の問題といわれています。「しばらくは私の主張を続けさせていただきたい」と居直った小沢氏の真意は何か。後継者選出に意向を反映させ、辞任後の影響力を残すための駆け引きが始まっているのです。それを知る党の幹部たちも全員一致で小沢氏を支持しました。本命は岡田哲也・元代表と言われていますが、小沢氏が“院政"を敷くには、鳩山由紀夫・幹事長のほうが使いやすい。自民党時代からの行動原理から見えてくる「ポスト小沢」の本命と、小沢氏の目論見とは。


3月26日以降、フリー・コンテンツを順次アップしていきます。