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2008年4月号の読みどころ

2008年03月19日発行

<企業スキャン>新日本製鉄-刑事告発に怯える「鉄の盟主」

4年連続の最高益を更新中の新日鉄に、思わぬ「躓きの石」が現れました。三村社長から宗岡社長にバトンタッチ会見の1週間後、亜鉛メッキ鋼板の価格カルテルの容疑で公取委が強制調査に乗り出したのです。世界最大の鉄鋼メーカー、アルセロール・ミタルに呑み込まれまいと、株式持ち合いの復活などで拍手を浴びてきた新日鉄が、実はカルテル体質に先祖がえりしたにすぎないことが暴露されたのです。資源メジャーBHPビリトンのリオ・ティント買収の動きに比べ、悲しいほど狭量な攘夷論でしかありません。


<日中ギョーザ危機>胡錦涛訪日の「危ない橋」

「冷凍ギョーザ事件」で中国が、自国内の殺虫剤メタミドホス混入の可能性をにわかに否定しました。背景には中国最高指導部間の凄まじい権力闘争がありました。3月の全人代で習近平・政治局常務委員を中央軍事委員会副主席に就任させようと画策した江沢民派の目論見が頓挫、その打ち返しに訪日する胡錦涛国家主席に難題を引き起こしたのです。折から、チベット騒乱事件が勃発。5月に延期されそうな胡訪日に暗い影を落としています。


<遠のいた大連立>一か八かの「四月大改造」

「このままじゃ、そりゃ無理でしょう。何たって安倍前政権の居抜き内閣だから」。首相を支える伊吹文明自民党幹事長までが、すでに公然と改造不可避と言い出しました。今や鳩山邦夫、甘利明、渡辺喜美、大田弘子ら現職閣僚の面従腹背は目に余るものがあります。辛うじて「3月末政局」を乗り切れたとしても、福田首相が4月以降も政権を維持するには、一か八かの大幅な内閣改造に踏み切らざるを得ないでしょう。そこには「ダメだったらそれまで」という開き直りで、あながち政権放り出し(総辞職)もあり得ないことでは無いのです。


<鉄鉱石大幅値上げ>「資源の黒船」に屈する日本

ブラジルの資源メジャー、ヴァーレ(旧リオドセ)が我が国の鉄鋼大手4社に「鉄鉱石65%値上げ」を通告しました。鉄鉱石のほぼ100%を輸入に頼る日本にとって、年間5千億円のコスト増となる大変深刻な事態です。ヴァーレのライバルであるBHPビリトンはリオ・ティ ントに買収総額約15兆円でTOBを仕掛け、中国国営アルミ業公司(チナルコ)と米アルミ大手アルコアの連合が割って入ろうとしています。このままでは資源の「買い負け」に日本は沈んでいく運命です。


<シリア空爆の真相>「北朝鮮の核密輸」をモサド暴露

昨年9月、シリア内陸の施設がイスラエルに空爆された謎がようやく明らかになりました。対外諜報機関モサドは、6カ国協議で核施設の無力化と引き換えに西側から経済支援を引き出そうとする北朝鮮に、シリアがプルトニウムなどの核関連物質を隠蔽する場所を提供している事実を掴んだのです。イスラエルがそれを叩いたのが「サンバースト作戦」です。2月に訪日したエフード・オルメルト首相はその詳細を福田首相に伝えました。英国のインテリジェンス・ジャーナリスト、ゴードン・トーマス氏によるスクープをお届けします。


<トラブルの前兆>三菱UFJ「システム統合」の暗部

難航する三菱東京UFJ銀行のシステム完全統合について、経営陣を巻き込んだスキャンダルが火を噴こうとしています。旧三菱銀行に直結する日本IBM系のシステム開発会社「ニイウスコー」に巨額の粉飾決算疑惑が浮上。証券取引等監視委員会が調査に乗り出したのです。しかも、三菱UFJは 「早い段階で粉飾を知りながら救済に動いた」と指摘されています。メガバンクの奥の院に食い込んだ開発会社の隠微な関係が浮かびあがります。


3月26日以降、フリー・コンテンツを順次アップしていきます。