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2008年3月号の読みどころ

2008年02月19日発行

<企業スキャン>松下電器産業――プラズマ敗色を糊塗

看板替えにだまされてはいけません。松下電器から「パナソニック」への社名変更は、世の多くの経済メディアが褒め称えたような英断ではありません。薄型テレビの「液晶対プラズマ」の戦いの帰趨が決まり、プラズマ陣営から離脱が相次いで、プラズマの雄、松下といえども液晶との「二兎を追う」戦略に舵を切り換えざるを得なくなったからです。それは大坪文雄社長がついに前任の中村邦夫社長(現会長)の縮小均衡路線の否定に動き出したことを意味します。「創業者の理念以外はすべて破壊の対象」と言い切った中村改革自身が否定され始めた皮肉。さまざまな中村「後遺症」を徹底分析しました。


世界が戦く「株価二番底」

景気後退を恐れる米国政府は財政・金融政策を総動員の感がありますが、それでも「株価二番底」の懸念が消えません。サブプライム関連の損失拡大で大手金融機関の自己資本が傷ついているからです。第二の火種になった金融保証会社(モノライン)救済のため86兆円という途方もない金額の再保証を、大富豪バフェットが提案しましたが、そのカンフル効果もたちまち吹っ飛んでしまうほど事態は深刻。欧州や日本、そして新興国経済までこらからくる津波はまぬかれそうにありません。


もう始まった「福田の次は俺」

前自民党幹事長・麻生太郎の動きがめまぐるしくなってきました。有力者たちとの矢継ぎ早な会談、超党派の議連の発足、総合雑誌での大胆な政策提言、講演での挑発的な物言い……。間違いなく麻生氏は、ここを先途と攻めに出ています。しかも、政界の随所に、麻生氏の「仕掛け」に呼応して「ポスト福田」を探る動きが表面化。この潮の変わり目はどこから来たのでしょうか? 福田総理と小沢民主党代表が裏で大連立へむけてうごめく「偽装」与野党対立に、福田政権も小沢民主党も迷走し始めたからです。


<経団連会長のif>「ポスト御手洗」三村に難関

1月に御手洗日本経団連会長が続投宣言しましたが、あくまでも本人の個人的願望にすぎません。本誌2月号「キヤノンと鹿島『裏金』疑惑」でも報じたように、大分のコンサルタント会社に国税の査察が入ったことに始まる疑惑が、御手洗氏の身辺に及ぶ可能性があるからです。「ポスト御手洗」には、4月に新日鉄会長に就任する三村明夫氏(経団連副会長)が本命とささやかれていますが、三村氏は温暖化ガス問題では鉄鋼産業の利害を反映して、強硬な“談合”派であるという難点があります。排出権取引(キャップ&トレード)の日本導入に反対し、産業別にクリーン技術を途上国に移転するアプローチに固執しています。日本が洞爺湖サミットの議長国として国際世論をリードしていかなければならない正念場に、三村氏が財界総理では「日本の孤立が深まるばかり」と懸念されています。


黒人オバマが恐れる「陥穽」

「変化の時が来た! アメリカ人は変化を切望する!」。初の黒人大統領をめざすバラク・オバマ氏が、ヒラリー・クリントン氏を圧倒し始めました。しかし、オバマ氏には人種問題の潜在的な危険が消えません。白人有権者が世論調査などで「選挙に肌の色は関係ない」と本音を隠したり、嘘をついたりする傾向を示す「ブラッドリー効果」で、オバマ人気はゲタをはいているのかもしれません。共和党の白人候補、ジョン・マケイン氏がつけこむ隙はそこにあります。


慄然!「破綻寸前」信用組合リスト

信用組合の惨憺たる経営実態を暴露するペーパーを本誌は入手しました。まず目に飛び込んで来るのは、半数が10%を超える不良債権比率の高さ。さらに危ぶまれるのが「パチンコ業界と運命共同体」といわれる在日韓国・北朝鮮系信組です。警察当局が賭博性の高い遊戯台を禁じたことが客離れを加速させ、パチンコホールの倒産・廃業が急増しているからです。同業界に貸し込んだ在日系信組は風前の灯といえます。今年3月末、信組向けの資本増強を担保する金融機能強化法が失効すれば、初のペイオフが避けられません。


2月26日以降、フリー・コンテンツを順次アップしていきます。