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2007年11月号の読みどころ

2007年10月20日発行

<企業スキャン>キヤノン――御手洗「参考人」で大揺れ

10月3日の衆院代表質問で、民主党は偽装請負問題に関連して御手洗冨士夫・日本経団連会長(キヤノン会長)を参考人として国会に招致するよう求めました。「財界総理が国会でつるし上げ」という事態になれば前代未聞です。

しかし、昨夏、朝日新聞の偽装請負キャンペーンで違法行為常態化を批判された御手洗氏は、「現在の請負法制に無理がある」と反論、経済財政諮問会議で「労働ビッグバン」を提言しています。 その姿勢は「安倍応援団長」と言われたほど政権すり寄りと裏腹だったのですが、政権交代でにわかに矢面に立たされることになりました。

最大の問題は、偽装請負の常習犯だった問題企業クリスタルと、キヤノンが90年代から業務委託契約を結んでいたことです。クリスタルは昨年11月にグッドウィル・グループが買収しましたが、その過程で380億円から闇に消え、日本最大の広域暴力団最高幹部の関与について検察の内偵が続いています。日本を代表するエクセレント・カンパニーの製造現場がアングラに浸透を許すという由々しき事態の責任はどう問われるのでしょうか。


<操縦不能の下請け>トヨタ脅かす「怪物」デンソー

トヨタの強さを語る時、必ず引き合いに出される系列の部品メーカー、デンソー。グループ内の序列は最下位ながら、存在感は圧倒的です。今や、株式時価総額は三菱やマツダを上回り、連結売上高は3兆6千億円と独ボッシュに次いで部品業界で世界2位です。

トヨタも舌を巻く技術力がデンソーの最大の武器です。ハイブリッドやITSなどで車の電子制御化が進む中、必死で人事支配を狙うトヨタに対して、歴代首脳陣を生え抜きで固めてきたデンソーは強い抵抗を示します。

「トヨタ何するものぞ」の社風を持つデンソーと、支配力を狙うトヨタとの微妙で複雑な「親子関係」を論じながら、デンソーの底力を分析します。


<幻となった「与謝野擁立劇」>小泉と飯島「決別」の真相

「俺は燃え尽きた。小泉家の敷居を二度とまたがない」。

小泉純一郎元首相の「軍師」と称される飯島勲元政務秘書官が、永田町から姿を消してから1カ月半。あの「ポスト安倍」政局でまだ解けていない最大の謎が、飯島氏の動きです。

相性のよくない福田氏を嫌って、小泉チルドレンを束ね、密かに「第三の候補」擁立を策した「軍師」が、どう動き、誰に裏切られたのでしょうか。本誌でしか読むことのできない、究極の永田町インサイドレポートをお楽しみください。


<水脈ウォッチャー>08年は「景気失速」の足音

ニューヨークの株価は持ち直しても、サブプライム・ショックは深刻さを増し、08年の景気失速が現実味を帯びてきました。

パリバ・ショック後のバーナンキFRB議長は、ルービン、ポールソンの元・現財務長官や英国のキング中央銀行総裁に呼びかけて事態収拾に奔走していますが、米銀は相次いで大幅減益や赤字決算を発表、野村證券はじめ海外の金融機関も出血を強いられています。

そしてクレジット・クランチ(信用収縮)の広がり。不動産バブル破裂後の長期の景気低迷に苦しんだ日本の「失われた10年」再来を防ぐ最後の頼みは中国、との見方も出ていますが……。


<半島ディプロマシー>南北朝鮮が策す「中国外し」

10月3日、南北首脳会談が開かれました。合意内容のキーポイントは、朝鮮戦争終結のため「三者または四者の首脳が会談し、協力していく」というくだり。「三者」とは南北朝鮮プラス米国であり、それに中国を加えたのが「四者」です。

これが意味するのは何なのでしょうか。米国が東アジアで「ベタ降り」したため自信を深めた金正日は、6カ国協議でホスト国をつとめてきた中国を煙たがり、南北緊密化によって中国のハシゴを外そうとしているのではないでしょうか。

その先にあるのはカネヅルとしての日本。国交正常化に伴い莫大な賠償請求を突きつけるため、拉致問題は解決済みの姿勢を貫こうとしています。出口の見えない日本外交は、対話路線の福田政権下ですでに強硬路線切り替えの兆候を見せています。


<「大連立」の導火線>福田「話し合い解散」の老獪

福田康夫新首相は、ボクシングにたとえれば、小沢民主党代表がファイティングポーズをとろうとするのに、首っ玉にかじりつくクリンチで時間切れを狙っているようなもので、劇場型政治とはおよそ反対の政治スタイルです。

「選挙管理内閣」とも言われるが、事実上、解散権を封じられた政権だけに、「話し合い解散」まで口にする始末。対決をとことん回避するこの戦術は、参院選大勝の余勢を駆って早期解散に追い込みたい小沢代表には、何とも攻めにくいでしょう。


フリー・コンテンツは、10月25日以降、順次アップしていきます。