マイページ | 新規会員登録 | オンライン版について

定期購読のお申し込み | 月刊「FACTA」のご案内 | よくある質問 | ご意見・お問い合わせ | サイトマップ

2007年1月号の読みどころ

2006年12月20日発行

<企業スキャン> ソニー激震―― 暗号破られた「電子マネー」
新年号の目玉スクープです。ソニーの「もう一つの致命傷」が明らかになりました。「スイカ」や「エディ」、「iD」など電子マネーの根幹技術である、ソニーの非接触型IC技術「FeliCa(フェリカ)」は、暗号が破られて使い物にならなくなったことが判明しました。

この暗号方式の危うさはFACTAがすでに9月号で指摘しています(「ケータイクレジットに致命的な弱点」参照)。その悪夢が現実のものになったのですが、ソニーも、JR東日本やドコモなどはそれを認めようとしません。しかし、11月7日に第2世代「フェリカ」を発表、密かに入れ替え準備を始めました。

フェリカの販売個数はすでに1億7千万個。しかし共通鍵方式のため、いったん暗号を破られたら、カードも店頭や駅改札口の端末も総とっかえしなければなりません。

リチウム電池の炎上、PS3(プレイステーション3)の出荷遅れ、次世代DVDのもたつき、さらに液晶テレビの値崩れとトラブル続きのソニー。電子マネーでもミソをつけ、その後処理の負担が重なるうえに、その技術とリスク管理に重大な疑問符がつくようだと、いよいよ崖っぷちに立ちかねません。


<企業ガバナンス> 中止せよ「日本版SOX」
エンロンやワールドコムの粉飾事件をきっかけに米国で制定された「サーベンス・オクスリー(SOX)法」(企業改革法)。日本でも右にならえと金融商品取引法が06年に施行され、企業に「内部統制」の細々とした報告を義務づける「日本版SOX」(J-SOX)のガイドラインが固まりました。

導入は08年4月からですが、今から態勢を組まねば間に合わない、と各企業が走りだしました。ところが、監督官庁の金融庁が定める報告の細目は、ハシのあげおろしまで縛るお節介の典型です。日本版SOX「特需」で喜ぶのは公認会計士、コンサルタント、そしてソフトなどIT業界ばかり。一般の企業は煩瑣な報告書づくりに追われて、商売あがったりになりかねません。

しかも、元祖のアメリカは、SOX法見直しに動いています。その過大な負担で米国企業が悲鳴をあげたうえ、中国、ロシアなどの新興国企業に敬遠されて株式上場では欧州に客をさらわれたからです。これから馬鹿正直に導入する日本とはすれ違いになります。あまりに愚劣ではないでしょうか。


続いて、各分野の目玉記事です。

<チャイナ・リスク>安倍「対中」外交の近視眼
11月に行われた安倍首相の電撃訪中を、多くの人は日中関係改善の契機になると見ています。でも、このサプライズの効果はどれだけ続くのでしょうか。

中国の対外ロジックは二つの顔があります。旧ソ連との反目と対米欧接近は現実的な思考を中国の指導層にもたらしましたが、日本に対しては「有罪者」に固定するロジックを手放そうとしていません。歴史問題とは、中国が日本に対し道義的優位に立つことを意味します。これは安倍訪中によっても変わっていません。

日本が道義的優位に立つには、むしろ中国に対し民主化を説く必要があります。その強力なカードを切らず、靖国問題も曖昧にしたままの安倍対中外交では、中国の優位を覆せず、歴史問題がぶり返す恐れがあります。

これは、中国から届いた貴重なメッセージです。


<支持率低落>小泉になり損ねた安倍
就任から3カ月。安倍首相は「小泉継承」と「脱小泉」の二兎を追う迷路にはまっています。その矛盾が露呈したのが、郵政造反組の自民党復党騒ぎでした。忍耐も即断もできず、あれもこれもと欲張った末に、「条件付き復党」というどっちつかずの決着に終わりました。井上義行総理秘書官もまた、小泉政権の飯島勲前秘書官の影に振り回されています。官房副長官の存在も薄く、このままでは支持率低下は食い止められそうにありません。

P80~「飯島前秘書官が放つ『小泉官邸秘録』の凄み」もあわせてお読み下さい。12月27日にフリー公開します。


<ノートリアス>最後のヒルズ族「折口雅博」
ご難続きのヒルズ族の中で、ひとり気を吐くかに見える要注意人物。人材・介護サービス大手グッドウィル・グループの折口雅博会長兼CEOです。11月18日に発表したクリスタル買収でグッドウィルの株価は急騰、12月2日にはプロ野球への進出も発表していますが、「ジュリアナ」時代から引きずるトラブル多発体質は今も変わりません。クリスタルとの「似た者連合」で、その行方にあぶない影がさしています。


1月号のフリー・コンテンツは以下の10本です。12月25日以降、順次アップしていきますので、ぜひお読みください。

12月25日掲載
NHK不払いの尻尾つかむカード(ビジネス P14~15)
不払い者への督促が始まったが、真の妙手はNHK放送のスクランブル(暗号)化で「払わないなら見せない」こと。その布石は全デジタル受像機に装填されるB-CASカードではないのか。

ワイドショーが喜ぶ首相とアッキーの欧州歴訪(ポリティクス・インサイド)
年明け早々、首相とアッキーのワイドショー外交に取材陣殺到の見込み。

12月26日掲載
「ビスタ」が鳴らすマイクロソフトの弔鐘(ビジネス P34~35)
1月30日発売の「ウィンドウズ・ビスタ」は重いばかりで、恐竜化の徴候あらわ。OSで寡占を築く水平統合型のビジネスモデルが仇となり、「帝国」は衰亡に向かっている。

中川幹事長、厚労省幹部と竹中工務店のディープな宴(ポリティクス・インサイド)
問題の宴は高輪プリンスホテル内の日本料理店「高輪亭」で密かに行われた……。

12月27日掲載
松井証券の身売り先に「野村」説は自作自演か(ビジネス・インサイド)
「野村やメガバンクの名を流しているのは、松井社長自身では?」との早耳情報。

飯島前秘書官が放つ「小泉官邸秘録」の凄み(ポリティクス P80~81)
自民党・復党騒動で完全に怒った飯島は、「回顧録」を緊急出版(発売は12月8日)。急いだのは、騒動でふらつく安倍に追い討ちの矢を放つため。

12月28日掲載
デジタルラジオ携帯の滑稽な「全国発売」(ビジネス・インサイド)
地方で使えない、テスト段階のデジタルラジオ携帯をauが見切り発車のトホホ。

森元首相の子息が参院選へ(人事・インサイド)
森元首相が、長男・祐喜氏の擁立に悪戦苦闘している。

12月29日掲載
納税も公売もネットで! 地方自治体に食い込むヤフー(ビジネス・インサイド)
自治体向けネットサービスでヤフーが独走。「ネット公売」も上々の滑り出し。

政治献金で温度差 積極的な三菱に迷うみずほ(ビジネス・インサイド)
政治献金の再開に消極的な「みずほ」側の本音とは?