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2009年11月号の読みどころ

2009年10月19日発行

[トラウマの悲劇] 日航迷走の元凶「前原チーム」

民主党代表当時の「ガセメール」事件のトラウマが、前原誠司・国土交通相を駆り立てているのでしょうか。八ツ場ダムなど公共工事見直しに続き、日本航空の経営危機問題では自公政権下の有識者会議を白紙に戻し、日航が用意した再建案もお蔵入り。突如発表された肝煎りの「JAL再生タスクフォース」に資産査定をやり直させましたが、パシフィックHD増資で市場を欺いた冨山和彦氏ら産業再生機構OBの起用に、財務省や政策投資銀行など銀行団、国交省や日航、さらに首相官邸まで絶句。寄せ集め集団のやっつけ仕事の結果が、銀行団に債権放棄などを迫る「サルでもできる」プラン。銀行はそっぽを向き、官邸も唖然というありさまで、残された少ない時間を空費しました。日航の出血は続き、月末にはサドンデスの危機に直面します。


[企業スキャン] ワコール――塚本二世と「魔性」の女傑

押尾学事件のホステス変死をめぐり、10月に入って再捜査が始まり、深い闇にメスが入る可能性が出てきました。その筆頭が、事件の舞台となった六本木ヒルズの部屋の借り主である、下着通販会社ピーチ・ジョンの野口美佳社長。奔放で幅広い人脈を持つ彼女は、株式交換でワコールの完全子会社となり、今やその第4位株主ですが、この部屋は「美人局」的な用途に使われていたのではないかとの疑惑が浮上しています。格下ブランドを甘い査定で買収したワコール側は「頼りない2代目」で塚本能交社長。野口社長の可愛がり方は、売り上げの落ち込みをカバーするだけではなかったのではないか。業績に暗雲が漂い、社内もギクシャクするワコールの本質に迫ります。


[円高・雇用悪化・設備投資減] 日銀確信犯の「鳩山デフレ」

政権交代から1カ月、世界の株式相場が上昇トレンドにある中で日本株だけが低迷し、「鳩山不況」がささやかれ始めました。藤井裕久財務相の発言から1ドル=90円突破の円高が進み、設備投資は過去最大の落ち込み。年末にかけて失業率の悪化も懸念される三重苦の状態です。景気二番底も不思議でないこの状況で、鍵を握るのは金融政策ですが、実は過去の消費者物価をみると日銀はデフレ経済の確信犯であることが明らか。自身が手段だけなく目標まで決めてしまう“独立性”が過大な中央銀行。白川日銀はデフレなど知らんぷりで出口政策を探っていますが、民主党が「政治主導」を発揮する格好の機会では。


[関与政策の攻防] オバマとイラン「核」合意

米オバマ大統領のノーベル平和賞受賞に疑問の声も上がっていますが、核計画をめぐる10月1日の交渉でイランを譲歩させ、濃縮ウランの保有量削減などに応じさせたことは世界をあっといわせる画期的な成果でした。オバマは政権発足以来、関与(コミットメント)政策をとり、積極的な対話を呼びかけていました。ポーランドとチェコへのミサイル防衛(MD)システム配備計画を撤回するという切り札も使い、複雑な駆け引きと心理戦により、武力で威嚇してきた前政権以上の譲歩を引き出したのです。しかしこの成果は本当の勝利なのか。合意に至る流れを検証します。


[民主主義の「壮大な実験」] 「鳩山マニフェスト劇場」の苛烈

民主党がマニフェストで掲げたCO2「25%削減」を「鳩山に言わせてはならない」と策謀していた経団連。しかし鳩山首相は就任前に早くも「25%削減目標」を宣言し、経団連に肘鉄を食らわせました。経団連との力関係逆転が象徴するのは、マニフェスト至上主義が今までの政策との「断絶」であるということ。「約束の実行」を掲げれば、利害調整はもはや必要なくなるのです。25%削減を国際的な戦略カードにし、内政・外政を貫く基軸ともした鳩山政権。見えてくるのは民主党流「ポストモダン革命」であり、この国のサバイバルへの大きな賭けです。


10月26日以降、フリー・コンテンツを順次アップしていきます。