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2009年8月号の読みどころ

2009年07月19日発行

[危機ドミノ再発防止] 「金融マクロ規制」出遅れ日本

金融危機の再発防止に向け、個別金融機関を監視するだけでなく、金融をマクロで規制する「マクロ・プルーデンス」構築をめぐって米欧で具体案が出されました。乱立する規制機関を統合し、中央銀行(FRB)の強化を柱とするアメリカと、BIS自己資本規制が無力だった反省を生かして新機関「欧州システミックリスク機構」を創設しようとする欧州が、金融サミットで対立しています。わが日本は米欧の「いいとこ取り」をめざす待ちの姿勢。金融庁を呑み込もうとする財務省の下心や、自分の前庭を守ろうと閉じこもる日銀の小心翼々からは、次の金融規制をどう構築するかの設計思想が見えません。


[企業スキャン] エリクソン――次世代携帯電話に「黒船」

7月1日から、現在より通信速度が速い次世代(3.9G)携帯「WiMax」のサービスが始まり、もう一つの次世代規格「LTE」も周波数割り当てが既存4社に決まりました。すでにLTE優位は明らかで、台風の目はスウェーデンの通信大手エリクソン。基地局などでは世界シェア4割で、日本でもソフトバンクなどに納入しています。しかしLTEで通信事業者間の仕様や規格のハードルが取り払われればチャンス。日本のベンダー各社はガラパゴス化で体力を消耗し、ドコモを除く携帯各社は設備投資に四苦八苦しているだけに、将来は携帯キャリア買収の可能性も取り沙汰されています。


なんと不遜な「石原都知事」

都議選の与党大敗を「大迷惑」と言ってのけた石原知事ですが、宮内庁からも顰蹙を買っています。2016年オリンピックの開催都市が決まる10月のIOC総会に「皇太子ご夫妻が先頭をきって切り込んで行っていただけたら」と強引に迫ったからです。新銀行東京、築地卸売市場の移転などを抱え、引退の花道に何としても五輪を実現させたいのでしょう。しかし、宮中の儀式や行事にはほとんど欠席、皇室には「奥まっていただきたい」と言い放つ矛盾といい、傲慢な発言の数々とごり押しで老醜の度合いを増してきました。


[中国「情報統制」大陸] 新疆暴動とネット戒厳令

新疆ウイグル自治区のウルムチで発生した大規模な暴動。本来、石油で豊かなはずの地元住民の生活は長年にわたり虐げられ、漢族に土地を収奪されたウイグル族農民が大通りを掃除する日雇い労働に追いやられています。不満が暴動に発展し、大規模な鎮圧が行われ、現地では2000を超すウェブサイトが閉鎖、インターネットや長距離電話もできなくなりました。中国各地で暴動がブログなどでネット中継されることが相次ぎ、インターネットをますます恐れるようになった当局。中国で販売されるパソコンに、フィルタリングソフト「グリーンダム」のインストールを義務づけようとする事態になっています。


[またも「お友達」偏重の不安] いざ出陣「鳩山政権チーム」

都議選惨敗に続く麻生首相の「破れかぶれ解散」と自民党内部のゴタゴタで、民主党政権が現実のものとなりつつあります。もはや第一党は動かず、単独過半数も有り得る情勢。すでに官界・経済界では、新政権で誰がキーマンになるのか、探る動きが始まっています。鳩山代表の下には「政権移行準備チーム」が編成され、中心になっているのは代表の側近三人衆。また政策のペーパーを書いているのは、野田幹事長代理のグループに属しながら先の代表選で鳩山氏を支持した2人。代表は「折り紙つきの人事下手」との評価もあるだけに、自民と同じく「側近・お友達」体質が繰り返される危惧があります。


7月27日以降、フリー・コンテンツを順次アップしていきます。