2009年2月号の読みどころ
2009年01月19日発行
景気のどん底と外交の孤立化のなかで20日に就任する米新大統領バラク・オバマ。急務は当面の景気対策。実に「2年間で7750億ドル」、日本円で約70兆円の財政出動に膨らみましたが、その効果となると、逆資産効果で個人消費が急激に冷え込み、小売り各社は大幅に在庫を抱えてデフレの影が迫るなかで、焼け石に水の恐れがでてきました。米国の「限界消費性向」が急低下、オバマ流「ケインズ政策」を徹底分析します。さらに、今号では新大統領が直面する難題について、政治・外交の面からも4編、特集しています。
日本郵政の「かんぽの宿」全国70施設の一括譲渡先がオリックスに決まった、と聞いて鳩山邦夫総務相が「おかしな話」と異を唱えた。オリックスの宮内義彦会長は小泉政権下で政府の規制改革会議議長を務めており、その会社への安価な払い下げは「出来レース」と国民にみられるというのだ。日本郵政の説明、オリックスの反論にも総務相は納得せず、月末の申請には不認可の構え。官邸も連携しており、日本郵政の西川善文社長は退陣を迫られることになるでしょう。郵政「政争」再開となる騒動の核心をスクープ。
1500億円の営業赤字に転落するトヨタが、創業家の御曹司・豊田章男氏のもと、求心力を高め打開を図る……。トヨタ次期社長人事に関し、一般にはそんな報道がなされていますが、そんなきれいごとでは済みません。社長交代劇の背後には、創業家である豊田家やその側近と、渡辺捷昭社長ら現体制の間で暗闘がありました。創業家の現体制への不満が募り、寡黙な主君と評される章一郎名誉会長が放った一言が、流れを決定づけた……。「世界のトヨタの奥の院」で繰り広げられた舞台裏を詳しくお伝えします。
経済成長が鈍化して矛盾が明るみに出てきた中国。農民工(農村部からの出稼ぎ労働者)の失業者数が、昨秋の3カ月で1千万人を超えたという試算もあります。大動乱の可能性が高まる中、導火線になりそうなのが、「地下金融」と呼ばれる法の許可も禁止もない小口貸金業。地下金融から融資を受けた企業が銀行から蛇口を締められて倒産するケースが出てきており、地下金融の債権が焦げ付けば、なけなしの資金をそこに出資する庶民にも累が及んで悲劇が起きます。ひとたび暴動が起きれば一気にさまざまな人々が加わって日頃の鬱憤を晴らすことになりかねません。
政権交代の可能性が現実味を帯びてきましたが、民主党が政権を取っても小沢一郎代表が素直に総理の席に座るかどうか――密かに注目を集めているのが岡田克也元代表。堅物のイメージが強かった岡田氏は05年の総選挙敗北の責任を取り辞任。ところがその後、自腹で黙々と落選した候補者たちを各地に訪ね激励してきたことが次第に知られ、党内で再評価の声が高まっています。隠れた「総理候補」の現況と本当の可能性は……。
昨年末、日経新聞1面で「中国10社が出資」と報じられた不動産ファンド運営大手・パシフィックホールディングス。株価はストップ高となり、年明けには11月の底値の13倍という高値をつけました。しかし当事者のパシフィックHDでは、二重入金のドタバタに加え、社長でさえ出資の詳細を知らず、さらに香港紙や本誌の確認で10社中の3社が出資を完全否定していることが明らかになりました。これほど怪しい出資話を日経はなぜ報じ、東証はなぜリリースを了解したのか――株価操縦の疑いで当局が動いています。前号に続く追及第2弾です。
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