『記事で綴る私の人生ノート』著者/三山秀昭 評者/安西巧
2024年12月号 連載 [BOOK Review]
「生涯一記者」を自認するジャーナリストの半生記――。大新聞「読売」のワシントン特派員、政治部長、渡邉恒雄社長時代の秘書部長といった経歴から、大上段に振りかぶった回想録を思い浮かべるかもしれない。だが、そんなステレオタイプの想像は冒頭から裏切られる。まえがきで三山氏はこう書く。「『私の履歴書』のように人生最終盤で書き下ろせば、必ず『飾り』や脚色、誇張や修正、取り上げる事柄の取捨選択などが行われる。それでは『脚色された自分史』になってしまう」「FACT」にこだわってきた生涯一記者にとっては堪えられない。そこで幼少期から書き続けた膨大な原稿をそのまま手を加えず、時代背景を追記し繋ぐだけの本に編集した。小学6年で書いた童話会の作文に始まり、大学時代の旧ソ連・欧州旅行中に訪ねた「プラハの春」直後のチェコのルポ、読売政治部時代、田中角栄首相から退陣の真相 ………
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