2017年6月号 連載
5月号を手にして真っ先に目を通したのは中国の習近平国家主席の失言に関する記事だった。時期を同じくして、中国の「臓器狩り」告発ドキュメンタリー映画『知られざる事実』の上映会と、ウイグル人医師アニワル・トフティ氏の講演会が都内で開かれた。驚いたのは、中国でウイグル人やチベット人、モンゴル人、法輪功信者、いわゆる「政治犯」から生きたまま臓器が摘出されているという事実。海外から中国に臓器移植を受けるツアーが組まれ、これには日本人も含まれている。
医師は中国の核実験によるウイグル人被爆者の告発で知られる。今回は臓器摘出をしたとリアルに証言。上司から待機を命じられていると、即死しないように急所を避け銃で撃たれた死刑囚が運び込まれ、その囚人から臓器を摘出した。生体からの臓器摘出と移植はウイグル人の犠牲からスタートしたのだ。こんな非人道的な中国の「臓器移植」ツアーに日本人も参加しているのに、見て見ぬふりをするメディアに怒りを覚える。ファクタの筆に期待したい。
元国会議員秘書 早川幸男