読者の声

2024年7月号 連載

  • はてなブックマークに追加

宮嶋編集長との知遇を頂いたのは、本誌創刊準備に奔走されている頃だった。以来20年で、世界の変化は暴流のごとし。情報集約型の仕事が生成AIに呑まれつつあり、国境も業種の壁もない時代がやってきた。

私は、長らく伴走したボスの政界引退を機に、人工呼吸器などの医療的ケア児・障害のあるこどもたちの制度的支援を軸にパラレル・キャリアに転じて2年半。永田町から飛び出して、先進事例や地域間格差の実態を知るために各地や離島も飛び回る。暮らしや生死に生身で触れる在宅医療現場にもお供する。とりわけ地方は超高齢化と人口減少の歪みが限界に達する一方、資源がなければ制度外でも地域力で対応するレジリエンスに感銘を受ける。結局人づくりだと痛感する。

あえて立ち止まり、長考・鈍考できる事が人間の強みだ。信頼できる情報、本質を捉える遅効性メディアが必要だと感じる。違和感を照らし、厳しくも人間味に一服する存在として、世にエールを送り続けて欲しい。

医療財団勤務/こども家庭審議会障害児支援部会委員 加藤千穂

   

  • はてなブックマークに追加