「統一地方選で600議席」次は野党第一党!
2023年2月号 POLITICS [リーダーに聞く!]
1965年大阪生まれ。府立鳳高校卒業。堺市議会議員(6期)を経て、2010年地域政党「大阪維新の会」結党に参加。12年衆院初当選(4期)。幹事長、共同代表を経て、昨年8月より現職。
――年の瀬も押し迫ってから4人目の閣僚のクビを切り、防衛力強化の増税負担を打ち出しました。
馬場 岸田総理の決断と実行は余りにもスローです。周りのブレインは何をしているのか。目配りと気配りがなさすぎます。
私は、先の臨時国会で「安直な増税はしない」と、総理に約束を迫りました。防衛費の増額については、まず歳出改革により財源を捻出すべきです。「またか」と言われそうですが、まず身を切る改革を行って、徹底的な行財政改革をやる。それが国民の負担を減らして、納税者の理解を得る順序というものです。そもそも増税ありきだとしたら、もはや政治家は要らないと思います。AIでやったほうが緻密な計算ができるし、より効率的になるでしょう。
――通常国会の争点は?
馬場 総理自ら「戦後最大の危機」とおっしゃるように国内外に問題が山積しています。明治維新から凡そ75年後に大東亜戦争が始まり、敗戦から凡そ75年経った今、3度目の「御一新」の時を迎えているのです。この問題意識から、我々は2021年5月に国家ビジョン「日本大改革プラン」を発表しました。〈誰もが変わらなければならないと分かっている転換期。しかし、変われずに衰退し続ける日本。新しい時代を切り拓くため、経済成長と格差解消を実現するグレートリセットが必要〉という、作成時の危機感は深まるばかりです。要は「現在の延長線上に、解決策は無い」のです。
――4月の統一地方選で地方議員を1.5倍の600名以上に増やす目標を掲げ、未達の場合は「代表を辞任する」と明言しました。
馬場 昨夏の参院選では比例選で野党第一党になったが、近畿以外の比例票の得票率は伸び悩んだ。国政政党として結党10年を迎えた今、大阪一極から全国政党化が喫緊の課題です。このため、22年3月に策定した「中期経営計画」では、来たる統一地方選で大阪以外の地方議員数を現在の約150名から300名以上へ倍増させる目標を立て、〈民間に例えると「ベンチャー企業、地域限定企業」から「上場準備企業、全国展開企業」への戦略的飛躍〉と実行プランを記した。我々の中計には、旧来政党と全く異なる、経営感覚で政党を運営する突き抜け感があると思います。現段階で統一地方選の候補者数は700名を超え、最終的に900名を超えるでしょう。
さらに、この中計では、統一地方選をステップに次期衆院選で野党第一党の座を奪い、10年以内に政権交代を果たす目標を掲げました。10年やっても結果が出なかったら止めたほうがいい。いつまでも野党議員で居続けることに意味はない。「中計」にはベンチャー政党らしい「維新スピリッツ」が息づいていると思います。
――高校卒業後、ロイヤルホストでコックをしていたそうですね。
馬場 実家が飲食店でしたから、まず調理師免許を取り、将来は飲食業を大展開する青年実業家になるのが夢でした。地元の中山太郎元外務大臣の秘書になったのは社会勉強のため。先生から堺市議選に「出ろ」と言われて立候補したのが政治家人生の始まりでした。マイクを握ったこともなかった僕を議長にまで押し上げてくれた地元の仲間、支援者の皆様にはいくら感謝してもし切れません。
――代表のことを、羽柴秀吉になぞらえる支援者がいます。
馬場 創設者の松井(一郎)さんが信長だとしたら僕は木下藤吉郎ですね(笑)。周りの多くの皆様に励まされ助けられて芽が出る「8番キャッチャー」タイプ。ここまで来れたのは、自分の力を超越した天命を感じます。
(聞き手/本誌編集長 宮嶋巌)