読者の声

2021年1月号 連載

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私は、大学で法律を学ぶ学生だ。こつこつと勉学を重ねつつ、小学2年から剣道を続ける真面目な人間であった。しかし、そんな自分は昨年の就職活動に失敗した。法律と剣道の2つに注力した事実に甘え、進路選択を本気で考えていなかった。これではいけないと休学して臨んだこの1年間は、地方都市での住み込みのインターンや東南アジアでのバックパッカーなど、視野を広げる活動をした。日本・世界の現場を実際に自分の目で見たことが成長に繋がり、今年こそは志望の就職先から内定を頂いた。「真面目」とは思考停止であり、視野狭窄であった。

先日、FACTAを拝読する機会を頂いた。ページをめくるごとに異なった主題の評論が次々と展開される勢いに、衝撃を受けた。また、評論の基盤となる考えも記事ごとに異なり、是々非々で物事を捉えている印象があった。こうしたFACTAの紙面の密度は思考停止を防ぎ、FACTAの記事の多様性は視野狭窄を防ぐ。まさに、かつての自分のような、真面目に対する処方箋となりうるのではないか。

田原大嗣

   

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