2018年3月号 連載
「物は、そと、人は、うち」。節分は過ぎたが、これが地域活性化の前提である。如何にして、域外に付加価値のある商品・サービスを移出するか、域外から付加価値を求めた人を呼び込むか、という点から、骨太の戦略を立てることである。その付加価値の源泉は、価格競争力ではなく、地域の生み出す品質であり、安全と安心にある。現場力が支えてきた堅固な物作り、丁寧なサービスの強化にこそ、そのポイントがある。しかし最近のグローバル経営のもと、逆に現場力が脅かされているように思う。FACTAが取り上げてきた数々の問題、不祥事がこれを物語っている。その度ごとに再発防止策が出されてきたが、重要な点は持続的な現場力の強化にあり、しっかりと見守っていく外部の目である。
FACTAは広くアンテナを張って、こうした活動を監視し、阻害要因を確認して、企業経営に緊張感を与え、現場力を応援してほしい。良質で安心な製品、サービスを提供する地域の応援を通じて、3本目の矢の実現に刺激を与え続けてほしいと思う。今後の地域活性化へのご意見番の取り組みに大いに期待しています。
高松市観光大使 廣田泰孝