編集者の声・某月風紋

2011年5月号 連載

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某日、自衛隊の知人より。「最前線の隊員は限界状況。嘔吐、発熱、体調不良を訴えている」。逆巻く泥流に呑まれ、何百メートルも転がされたご遺体は真っ黒なサツマイモの塊と化し、男女の見分けさえつかない。阪神淡路とは違って救急救命隊の出番はほとんどなかった。泣き濡れた部隊は今も、ガレキと泥に埋まった無数の仏さまを探し続けている。大震災から9日目に防大卒業式。役人が用意した型通りの訓辞を読み上げる菅さん――。54年前(昭和32年)の第1回防大卒業式。「自衛隊が国民から歓迎され、ちやほやされる事態とは、外国から攻撃されて国家存亡のときとか、災害派遣のときとか、 国民が困窮し、国家が混乱に直面しているときだけだ。君たちが 『日陰者』であるときの方が、国民や日本は幸せなのだ。耐えてもらいたい」。吉田茂元首相の訓示は胸を打つ。政治家は言葉が命と言うが、今日びは空疎か ………

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