2008年2月号 GLOBAL [グローバル・インサイド]
中国当局は1月31日から、動画サイトを対象に新たなインターネット関連規定を発効させる。これは、中国産業部と国家ラジオ・映画・テレビ総局が12月末に公布した「インターネット・ビジュアルプログラムサービス管理規定」。暴力、セックス、ギャンブルに関係する動画や、国家分裂につながる動画のネット公開を禁止するというこの国ではお馴染みの規定もあるが、最大の目玉は動画サイトを運営できる企業を国有に限定、しかも免許制を導入する点にある。
動画サイトを運営する国有企業は、規定発効後、ラジオテレビ総局に「動画サイト運営許可証」を申請し、3年間の免許を与えられるという。中国国内の動画サイトは、日本のニコニコ動画にあたる「土豆網」などほとんどが私営または個人企業。海外華字サイトは「1月31日は動画サイト運営企業が集団死する日」などと報じている。
だが、中国当局が狙うのは、影響力の小さなこうした中国国内サイトではなく、検索エンジン最大手、グーグルの傘下に入った世界最大の動画サイト「ユーチューブ」が本命ではないかとの見方が主流になりつつある。ユーチューブは今のところ中国大陸向けに展開されてはいないが、香港・台湾向けに繁体字で運営されている中国語版へのアクセスは、中国国内では事実上黙認されている。グーグルと中国当局の関係が比較的良好だからとみられるが、今のうちに規制下に置きたいというのが中国当局の本音だろう。