2007年12月号 DEEP [ディープ・インサイド]
早稲田大学が来年度から一部の新入生を対象に「日本語の文章講座」を実施する方針を決め、波紋が広がっている。「学生の日本語能力が落ちている」「論理的に考えて、言葉にすることができない」などの声が一部の教員から相次ぎ、実施が決まった。数年後には新入生全員を対象とする計画。
この計画に対し、大学関係者からは「早稲田はできのわるい学生の巣窟であることを自ら認めてしまった」と冷ややかな意見も出始めた。ある難関大学の教授は「大学は自学自習が基本。一定レベルに達していない学生は来るべきではない。それを早稲田のように手取り足取り面倒を見るなど実にばかげている。今後は、大学ではなく『早稲田託児所』とでも名乗ったらどうか」と手厳しく批判する。
ただ、現実問題として専門家の中には「東大、早慶といえども学生の学力は一昔前に比べて落ちている」(予備校関係者)との指摘も。基礎学力や日本語の能力が相当に落ちているため、それを放置していたら、大学の授業について来られないばかりか、卒業後に就職した企業で大学の評判を落とすことにもなりかねない。それなら早いうちに、恥をさらしてでも対策を打っておこうというのが早稲田の動きだ。