2007年12月号 POLITICS [ポリティクス・インサイド]
「絶対に捕まらない男」といわれた大物仕手筋、西田晴夫容疑者が10月12日、ついに大阪地検特捜部に逮捕された。容疑はジャスダック上場の南野建設(当時)の株を使った相場操縦。証券取引等監視委員会が自宅を捜索したのは2005年3月のこと。すでに2年以上が経過しており「立件が見送られたのでは」と囁かれる中での逮捕劇だった。西田氏が絡んだとされる株式銘柄は「N銘柄」と呼ばれ投資家の垂涎の的となり次々に高騰した。関与が噂された銘柄はアイビーダイワ、ボディソニック、キムラタン、YOZAN、クオンツなど数多い。経営破綻したNOVAの背後でも暗躍した。「ジェットコースターのように株価が動き、投資家にとってヒーロー的な存在だった」との声もある。こんな西田パワーの源泉となったのは大物投資家などの幅広い人脈だ。特に大手アパレルメーカーの創業者H氏との関係はよく知られている。暴力団筋との交友もあり「ブラックマネーの運用にもかかわっていたようだ」と業界関係者は打ち明ける。
ここにきて西田氏とただならぬ関係の代議士Dが浮上。西田氏とDが知り合ったのは数年前。代議士になる前、Dは投資顧問会社の運営に携わっており、仕手戦を繰り返す西田氏と関係ができた。「Dは企業会計に精通していたことから、西田氏がターゲットにする企業について相談を持ちかけたこともあった」と噂される。どこまで仕手戦に絡んだか定かではないが、ある裁判法廷でDは西田氏と会ったことを認めており、その筋ではよく知られた間柄だったようだ。Dは当選以来、西田氏と関係を絶っているとされるが、かかる人物が代議士とは驚くばかりだ。