2025年9月号 POLITICS [「令和の風雲」]
「国家資源の大半が、富の創出ではなく、軍事目的に充てられるとき、長期的な国力の衰退へと繋がる」――。国家の興隆・衰亡を描く名著『大国の興亡』(ポール・ケネディ著)の印象的な一節である。この格言は、軍事に限らない。特定の費目が国家予算の一定以上の割合を占めるとき、財政が硬直化し、長期的な国力低下を招くということである。国家の繁栄に責任を有する政治家は、常にこの格言を念頭に、国家予算の配分を考えねばならない。社会保障は、我が国内政最大の課題である。社会保障関係費は、国家予算(一般会計歳出総額)の1/3、国家予算から国債費や地方交付税を除いた一般歳出に絞ると、1/2以上を占めている。我が国の長期的な国力低下を防ぎ、国力の再興を図るためには、抜本的な社会保障制度改革が必要である。社会保障制度には、大まかに医療・介護・福祉・年金があるが、その中でも特に ………
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