2025年1月号 連載 [コラム:「某月風紋」]
1964年の大阪商工会議所・新年祝賀会はその年の10月に開幕する東京五輪が主な話題だった。杉道助前会頭は隣の左藤義詮大阪府知事に「東京五輪の次は大阪で万国博を」と耳打ちした。「五代さん(五代友厚初代会頭)の再来」と言われた大物経済人の発言。70年に大阪・千里で開催された日本万国博覧会誘致はここから始まった。政界の実力者、河野一郎国務相は神戸開催にこだわった。大商の小田原大造会頭は「関西財界の選挙非協力」をちらつかせて翻意させた。日本万国博覧会協会の石坂泰三会長(経団連会長)は初年度の予算査定が少ないと知るや佐藤栄作首相と直談判して支持を取り付けた。収益は約195億円。財界人が総力戦で臨んだ70年万博は「博覧会の巨額赤字は当たり前」という通説を見事に覆した。さて開幕が4カ月後に迫る2025年国際博覧会(大阪・関西万博)である。運営主体の日本国際博覧会協会会 ………
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