新連載「Hawkeye」/日本に「二つの追い風」/デジタル・リアルの勝ち筋/矢嶋康次・ニッセイ基礎研究所チーフエコノミスト

2024年10月号 BUSINESS [シンクタンク 「Hawkeye」]

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どの世界でもそうだが、チャンスは何回もない。日本は30年ぶりの復活のチャンスを迎えている。もうこのままでいいと思っている人は、今の生活を守るのがベストなやり方だ。ただ国家戦略、企業がゴーイング・コンサーンを前提とするには、このチャンスを活かし、将来拡大しつづけるとの期待を作ることが必要になる。ただ不幸なことに経済低迷が長かったため、日本にはそれほど多くの選択肢は残されていない。それが現実だ。

「やらないリスク」が致命傷

政府が進める各種産業政策への批判は強い。特に過去大失敗をしてきた半導体に政府主導の支援を再び行うことには、強い批判がある。たしかにこの分野は技術的で国民からはわかりくい。もっとわかりやすい説明や情報発信の改善は必要だ。筆者は国産の半導体は手に入れるべきだと思っている。日本復活の肝は、日本で生産して貿易黒字を作りだし、日本に雇用と利益を還元することだ ………

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