ANAが新ブランド 「エアージャパン」を就航!

「ANA」と「ピーチ」の中間の位置づけ。海外旅行の選択肢を広げてくれそう。

2024年4月号 INFORMATION

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Air Japan ボーイング787‐8

最近は都心やリゾート・観光地などに外国客が増えている。銀座の店舗や観光地に外国客が押し寄せる光景は、テレビ報道などでも取り上げられている。コロナ禍で激減していた訪日外国人旅行(インバウンド)が着実に戻りつつある。

訪日外国客は今年1月の推計値で268・8万人と、日本政府観光局(JNRO)が発表。米国、韓国、台湾、豪州、シンガポール、インドネシアや中東地域など主要10市場からは1月として過去最高という。出国日本人数も、コロナ禍の落ち込みから徐々に回復しつつある。

航空会社の国際便運航にも動きが出ている。コロナ禍で「国際旅客便数は一時激減したが、水際措置が大幅に見直された22年10月以降は徐々に回復傾向」と国土交通白書23年版は指摘。特に、アジア・太平洋地域は航空旅客・貨物取扱量が世界最大で、この市場は今後も成長が見込まれるとしている。

こうしたなかで、ANAホールディングス(HD)が新たな戦略を打ち出した。国際線新ブランド「エアージャパン」を投入し、フルサービスキャリアの「ANA」とローコストキャリア(LCC)の「ピーチ」の中間に位置づける。その就航が今年2月から順次、始まった。

エアージャパンはANAブランドと同じ安全・運航基準の運航となり、上質なサービスを手ごろな価格で提供する。利用客が気軽に空の旅を楽しめる中距離国際線ともいえる。ANAHDはこれら3つのブランド展開により、顧客ニーズをきめ細かく取り込んでいく。

エアージャパンは今年2月9日に成田・バンコク線、2月24日に成田・ソウル(仁川)線を開設した。片道運賃は最低で、それぞれ1万5500円、8千円から。4月26日には成田・シンガポール線を就航し、片道運賃は最低1万7500円からとなっている。

機材はボーイング787-8を使用し、全席がエコノミークラスの324席。座席の間隔(シートピッチ)は一般的なエコノミークラスを上回る32インチ(約81㌢)となり、足元は広め、リクライニングが深めと、長時間の旅行でも快適な座り心地になっている。

乗客はスマートフォンやタブレット端末を座席のUSBポート接続などで使用できる。

海外からのインバウンドのみならず、日本からの海外旅行客にも、エアージャパンは身近な存在となりそうだ。ANAブランドと同じ上質なサービスを受けつつ、価格はLCC寄りと、懐にありがたい存在となる。

最近の日本人にとっては、人気のハワイ旅行が物価高や円安でハードルが上がるなか、東南アジアの人気が高まっているとされる。エアージャパンが就航する国々は、日本と時差がほとんどなく、気軽にグルメやショッピングなどを楽しめる。

たとえば韓国は、日本と時差がなく、伝統文化や韓国グルメ、ショッピングが魅力だ。タイは笑顔あふれる「微笑みの国」で、時差2時間。異国情緒あふれる寺院や宮殿、ビーチやタイ料理も日本人に人気がある。シンガポールは赤道直下で、時差1時間の近代国際都市国家。緑と建物が調和した清潔感あふれる街並みで、テーマパークやショッピングを楽しむのにぴったり。

エアージャパンが海外旅行の選択肢を広げてくれそうだ。

(取材・構成/ジャーナリスト 浅井秀樹)

   

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