本誌表紙絵/儚くも可憐な 「澁澤星ワールド」

本誌の表紙を彩って来た日本画家の澁澤星さんは、何と『論語と算盤』の栄一翁の玄孫。一族のオンリーワン。

2022年7月号 LIFE

  • はてなブックマークに追加

その作品は、都心の聖路加国際病院(東京都中央区)1階の壁に掛けられ、往来する人たちを静かに見守るように佇んでいた。作品名は「実り」――。幅3メートルを超える日本画の大作の真ん中には、アンニュイな面差しを浮かべる女性2人が何かを見つめるように腰かけ、周りに果実が描かれている。所々に金箔を施し、幻想的な雰囲気を醸し出すこの日本画は、ことさら自己顕示が強いわけではないが、静謐な空間に溶け込み、得もいわれぬ光彩を放つ。

思想と白昼夢の境を探す

この絵を描いた澁澤星さんは、2015年5月号から本誌の表紙を彩ってきた日本画家だ。春夏秋冬の興趣尽きないモチーフは、時に金箔を大胆にあしらった金木犀で驚かせたり、青い空と緑の海波と白き灯台をシンプルに描き、遠き日の夏休みの記憶を思い出させてくれたりもする。澁澤さんが憧憬するモチーフは、現実と幻想の共存だ。「私にとっての理想の空間とは、人 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービスです。年間定期購読をご契約の方は無料でご利用いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※ご利用いただけるサービスは購読コースにより異なります。詳しくはこちらをご覧ください)。