連載コラム:「某月風紋」

2021年12月号 連載 [コラム:「某月風紋」]

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今回の総選挙における、メディアの事前の「世論調査」ほど、獲得予想の議席数が大きく振れたことはなかった。

自民について、朝日「251~279」、産経FNN「218~246」。立憲民主は、朝日「94~120」、産経FNN「126~151」。朝日が、自民有利、産経FNNが逆の読みになった。

リベラル派の朝日は「自民を油断させて、立憲に危機感をもたせる」、保守派の産経FNNは、その逆だ――。メディア業界には、そう考える向きが強かった。

「世論調査」報道は、単に調査対象の数から議席を予測するものではない。「情勢調査」という取材を加味した結果である、という但し書きがある。選挙結果は、自民261、立憲96、維新41、公明32など。

早稲田大学社会科学総合学術院の准教授2人による「イデオロギーと日本政治―世代で異なる『保守』と『革新』」(2019年、新泉社)は、政界を揺さぶった。

「学術的にもジャーナリスティックにも共有されてきた、政党や政権に関する保守・革新イデオロギー上の相対的な位置への合意は、中高年の有権者の心の中には存在しているが、過去30年間に有権者になった若い世代には今や適用できない」

キーワードは「改革志向」。49歳以下では、そのトップが日本維新の会であり、自民党が続く。共産党は保守的なトップの政党であり、改革志向は最低である。維新は『革新』、共産は『保守』。若者層は、自民が『改革派』である。共同通信による今回の出口調査によると、18~19歳の投票先のトップは、自民36%、次いで立憲17%。20歳代では、自民が最多の36%。世論調査は今、コンピューターによる、ランダムな固定電話番号にかける「RDD方式」が主流。携帯電話番号には、地域情報がないので省かれている。今後の選挙でも、議席予測は、はずれるであろう。

(河舟遊)

   

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