2020年10月号 連載
仕事がら出張によく出る。中国の杭州にも行く。オフには西湖の蘇堤を散歩する。北宋時代、政治家としても名を残した蘇軾(蘇東坡)が西湖の水利工事を行い、生き返らせた。蘇堤は蘇軾からとった。治山治水は国の大元であり、大いに感謝された。因みに協力した地元民に豚肉の甘辛煮を振舞ったのが今の東坡肉と言われている。
沖縄にも行く。宿泊先は那覇港近くのLホテルを使う。明治初期、この辺りに旧薩摩藩在番奉行所を転用した県庁があった。第二代県知事は山形米沢藩の最後の藩主であった上杉茂憲。沖縄の近代化のためには人材の育成が第一と政府に上申書を提出するも無視される。ならばと私財を投げ打ち国内留学制度を立ち上げる。その甲斐あって謝花昇始め多くの逸材が育ち沖縄を近代化に導く。
蘇軾も上杉茂憲も使命を果たすため志を高く掲げ、強い意志を持って実践した。本号が出る時には新首相のもと日本丸が船出をしている。是非ともマストには志を高く掲げ、航海をしてもらいたい。そしてFACTAにはしっかりと航跡を見届けて頂き、是々非々で伝えて頂きたい。
税理士 早川知佐