2019年9月号 連載
10年ほど前より友人に勧められ、FACTAを購読している。正直、最初は難しかった。内容が濃すぎてすぐに理解できず、何度も読み直したものだ。それも次第に慣れ、充実した文体にこちらも鍛えられる想いがした。今は毎月新鮮な情報を楽しみにしている。
毎日届く新聞はたくさんの情報を伝えるが、最近、どこも記事が生ぬるくなったように思える。無難な記事が紙面を覆い、つまらない朝が多くなった。最近は若手記者が記事を書いても、上司が「そんな記事を出して訴えられたらどうするんだ!」と怒鳴り付け、不掲載となるらしい。保身に走るマスコミなど意味がない。
社会の不正を暴くFACTAの活躍は素晴らしい。有名企業の裏面を暴き、果敢な挑戦を試みる。いつの世にも弱きを助け、強きを挫く姿勢は必要だ。弱肉強食の世界はいつか疲弊する。この姿勢には自分も勇気づけられる。加えて現実を冷静に見つめ、嫌なことでも正しく報道するのも重要である。都合のいい情報だけでは進歩がない。思えば悪い奴が多くなったものだ。FACTAの前進に期待したい。
須賀川商工会議所副会頭 鈴木和幸