2019年4月号 INFORMATION
①御社は2018年12月第3四半期末において220億円の短期借入金がありますが、同期末の現預金は82億円で、メインバンクのコミットメントラインによる借入枠は100億円しかありません。短期借入金220億円の返済原資はどのように調達するのでしょうか?
答 一時的な借り換え実施の必要性はございますが、収益の大部分を占めるZOZOTOWN事業が安定した営業収入が見込まれる事業モデルであるため、返済に問題はないものと認識しております。なお、当座貸越極度額については、前期末時点の100億円から枠の拡大を実施済です。
②御社の正味運転資金(営業資産から短期事業負債を控除した額)は、2014年3月期末が42億円の資金余剰、2015年3月期末が40億円の資金余剰、2016年3月期末が30億円の資金余剰、2017年3月期末が19億円の資金余剰となっていましたが、2018年3月期末に3億円の資金不足に転換し、その後2018年12月第3四半期末の資金不足は142億円に拡大しています。資金不足額は2018年の3月末から12月末までの9カ月において139億円(=142億円-3億円)拡大しているので、御社は現行事業年度において月額15・4億円(=139億円÷9カ月)の高速で資金が流出していることになります。御社の2018年12月末の資金余裕は前記の通り183億円なので、事態をこのまま推移すれば、御社の資金は後12カ月(=183億円÷15・4億円)で枯渇することになります。御社は、資金構造の変化に伴う資金不足について、どのように対処するつもりでしょうか?
答 営業資産・事業負債に含める項目如何によって必要運転資本額の計算結果が変わるため、一概に申し上げるのは難しい部分ではありますが、営業資産(売掛金+棚卸資産)から事業負債(買掛金+受託販売預り金)を控除した金額を以て運転資本額の計算を行った場合、以前より運転資本額はプラスの状態が継続しており、上記のご指摘内容とは異なる結果となります。
なお、商品取扱高の拡大(*1)・ツケ払いサービス(*2)の導入に伴う売掛金増及びPB事業開始に伴う棚卸資産増により必要運転資本額自体が上昇傾向にあることは事実ですが、こちらは営業収入によるキャッシュイン及び借入の実施で賄うことが可能であると考えております。
(*1) 当社の売掛金の大半はユーザーからの回収(商品購入金額)に関するものであるため、商品取扱高拡大に比例して増加することとなります。なお、当期に限らず第3四半期会計期間は、ファッション小売市場の季節変動要因もあることから(秋冬商材の立ち上がり・年末セール開始等)、通期末時点との比較ではなく、前年同期末時点での比較がより実態に近い検証を可能にすると考えられます。
(*2) 2016年11月より開始したツケ払い決済サービスは、その他決済手段(クレジットカード、代引き等)と比較して、回収期間が長い決済手段(注文完了から2か月後)となっております。
質問と回答の全文は以上となります。