「麻生側近」自民国対幹部が 呆れた「バレンタイン懇談」

2019年4月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]

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2月14日といえばバレンタインデー。欧米では家族や恋人がお互いに贈り物をし合う日として知られる。日本では女性から男性にチョコレートを贈るという独特の習慣が根付いたが、いずれにしても大切な人と共に過ごす日とされるのには古今東西変わりはないだろう。

そんな日の夜、東京都千代田区のホテルニューオータニのレストランの個室に、自民党麻生派(志公会)事務局長にして、麻生太郎(78)最側近の松本純(68)の姿があった。周囲を取り巻くのはいわゆる「国対番」の女性記者たち。国対委員長代理の松本が「女性限定」の番記者懇談を催したのだ。わざわざ「聖バレンタインデー」のその日に……。

JA女性部役員をもてなす松本純国対委員長代理(松本氏のHPより)

与党記者クラブの政治部記者は言う。「正直言って、女性陣は困惑していました。松本氏から記者クラブの幹事社を通じて懇談の誘いがあったのは1週間以上前。『女性限定なので男性番記者の耳に入らないように』というお達しつきでした。もちろん国対幹部との懇談は番記者にとって貴重な機会ですが『こんな日に設定するのだから、チョコレートを準備しないといけないよね』と半ば“ありがた迷惑”でしたね」

安倍政権が女性活躍推進を叫び、日本社会が女性の人権問題にもやっと向き合うようになってきたこのご時世に、わざわざ女性「だけ」を集めた懇談会を開くとは、それだけで時代錯誤もいいところ。折しも松本が師事する麻生が「子どもを産まない方が問題」発言でバッシングを受けていたさなかのことである。

懇談に同席した別の麻生派議員の発言も眉を顰めるものだったという。「最近、国対番に女性が増えたよね。やっぱり(男性の)松本代理狙い?」「男性番記者の懇談やるの? オレ、行かない」――。「この一件だけをみても、麻生派がどんな集団かよくわかる」と、全国紙政治部デスクはため息をつく。女性陣を前に「どうせバレるんだから、男性版もやるよ」とのたまった松本。「バレンタイン懇談」の数日後、番記者男性陣のもとに唐突に届いたのは「本日18時半スタートで男性チームと懇談会を開きます」というなんとも雑なお誘いだった。(敬称略)

   

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