元証券監視委「美人エース」 テラ第三者委で馬脚現す

2019年1月号 POLITICS [ポリティクス・インサイド]

  • はてなブックマークに追加

笑顔で悩殺のボッタクリ?(那須氏フェイスブックより)

前号で東大医科研発ベンチャーのテラ(ジャスダック上場)が森・濱田松本法律事務所から第三者委員会の調査費用をボッタクられたと報じたが、実は森濱と同じくテラの第三者委員会に参加していたPwCビジネスアシュアランス合同会社(PwCあらた有限責任監査法人のグループ会社)も共犯、という声がある。

第三者委の委員3人のうち唯一の会計専門家として、PwC公認会計士の那須美帆子が就任している。那須は証券取引等監視委員会時代にオリンパス等を担当し、監視委の「美人エース」と言われていた人材だ。

「SESC退任後、鳴り物入りで新日本監査法人に入所し、不正案件の調査業務を担当していたが、期待された実績が得られないまま、18年3月にディレクターという役職に魅かれてPwCに移籍した。PwCでは実績をあげたいと燃えて、テラの案件に飛びついた」(那須の知人)

しかし前号で指摘した通り、テラの第三者委員会報告書は何が不正か、結論が示されていないなど出来が悪い。依頼者のテラが報告書に反論、報酬の減額を求めるなど異例の事態を引き起こしている。

那須は当初、テラに対して自分の報酬の見積もりとして3300万円を提示し、最終的に追加報酬を含め4400万円を請求しているという。請求金額はタイムチャージで、1時間でパートナー8万円、ディレクター5万4千円、シニアマネジャー4万2千円と高額な単価だったという。第三者委を複数経験している公認会計士は「こんな杜撰な調査報告書に会計のみで4400万円をかけること自体が異常。タイムチャージで経験の浅い人員を20人以上入れ、報酬を取りたい放題。那須はPwCでの自分の手柄にしたかったのか」と批判した。(敬称略)

   

  • はてなブックマークに追加