2019年1月号 INFORMATION
スルガ銀行への質問
①貴行の預金残高は、2018年3月期末が4兆800億円、同年6月末が3兆8635億円、同年9月末が3兆4103億円と激しい流出現象を起こしています。これに対して貴行は、手元資金5000億円と住宅ローン債権担保による日銀ローンにより万全の準備をしていると答えていますが、2018年3月期末現在、貴行のシェアハウス及び収益不動産向け融資以外の個人貸付は8504億円しかありません。これでは預金流出に対する万全の準備にはならないのではありませんか?
②貴行は、本年11月14日に行われた決算発表の際の記者会見で、シェアハウス以外の投資用不動産向け融資は、「シェアハウスより前から手掛け、延滞率が0.5%程度であるのを考えると影響は限定的」などと答えています。事実、2018年9月中間期における貸倒引当金の積み増しは140億円に止まっています。ならば2013年4月以降に実行された5年間の投資不動産向け融資には、甚大な影響があると考えるべきではありませんか?
《編集部より》
以上の質問に対する回答をスルガ銀行に求めたところ、「日頃より多くのメディアの皆さまから様々な質問が寄せられているところ、弊社といたしましては会見等の機会を通じて、社長の有國から皆さまへ直接ご説明をさせて頂いております」との回答がありましたので、その後、2018年11月30日に開かれた有國三知男社長の記者会見のうち、質問に関係する部分の質疑を以下に掲載します。
問 預金流出への対応は万全にとられているのか。シェアハウス向け以外の投資用不動産向け融資の貸出債権に対して貸倒引当金を積むなど不良債権処理はどのように進めていくのか。
答 まず1点目の預金の流出についてのご質問ですが、これは前回の中間決算の記者会見でもご説明をさせていただきましたが、おっしゃる通り、一時いろいろな私どもの不適切なシェアハウス融資であったり、創業家融資の報道がなされた前後、あるいは第三者委員会の調査報告書が発表された直後等は流出額が大きくなったと、これは事実でございますが、ただ、先般ご説明しましたように、10月以降はですね、非常に足元の預金の動向はもう落ち着きを取り戻しておりまして、今、現状、現金あるいは日銀の当座預金においても依然として潤沢な資金を確保できているというふうに認識しておりますので、そちらについては、不安はないというふうに申し上げたいということと、あと万全の態勢という意味におきましては、もちろん、当局、日本銀行と、こちらも逐一報告はさせていただいておりますし、そういう関係性の中でやっておりますけども、日本銀行に限らず、一般債権の流動化というのは、これも前回少しお話をしたのですが、もともと私ども有価証券運用を積極的にやってこなかった銀行でございますので、そういう意味では貸出資産の流動化というのは常に一定の一つ一つの選択肢としては常に検討してきておりますので、そういう部分についての対応も以前よりできているというふうに申し上げたいと思います。
問 シェアハウス向け以外の不適切融資も内容次第で、シェアハウス向け融資のように返済猶予をしたり様子を見たりという措置をとって延滞率が上がれば、貸倒引当金を積み増さないといけない可能性が出てくると思うがいかがか。
答 一棟ものの収益ローンについては先般の中間決算で残高あるいは延滞率をお示ししておるところでございますけども、足元の状況については0・5%の延滞率ということなので、今、そういうなにか大きな心配をしているわけではございませんし、それが今後、今全件調査をしている中で、何か資料の改竄あるいはそういうものが発見されたことをもって即、何か引当に影響を及ぼすかということまでは今のところは考えていないというのは今まで申し上げてきた通りです。
問 「不適切」の仕方がどういう内容であろうと、それで延滞率が上がるというのにはそこから結びつかないと考えているのか。
答 はい、おっしゃる通りです。
関連質疑は以上です。