2018年12月号 連載
日々の報道の分析をもとに広報部門への助言などを行っている。新聞、雑誌、テレビ、ネットの報道は、私にはいわば飯のタネだが、今、その報道の質には大いに不満がある。確かに、今の世の中は様々に難しい。虚偽やトラップに満ちた情報の中から、真実、本質を探り当て、抉り出す作業には倍旧の精力と注意が必要であることも承知の上で申せば、
「新聞は書き切れていない」。
「テレビは報じ切れていない」。
「雑誌に目立つのは売らんかな」。
「ネットはまだまだ信じきれん」。
朝、電車で隣に座った若手サラリーマンの手にあるスマホの画面が、数分も立たぬうちにニュースからゲームに変わる。でも、彼らは今日の出来事、その原因・影響をちゃんと知っている。情報の虚偽を濾し取るセンスも持っている。鋭い彼らは、見抜いているのではないだろうか。「今日の記事はつまらないな」と。
新聞、テレビ、既存の雑誌では報じ切れない真実と本質に、正義と好機に知の毒と針を添えて迫り、若者に「この記事は本物だ、おもしろい」と言わせてほしい。
FACTAの出番である。
(株)渡辺広報事務所 渡辺秀人