堅物「志位和夫」が豹変!ショパン演奏に込めた覚悟

2018年12月号 POLITICS [ポリティクス・インサイド]

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ショパンの「別れのワルツ」を弾く志位さん(撮影/宮嶋巌)

「カズオ!カズオ!カズオ!」

10月28日の夕刻、若者たちのコールが湧き上がる。ステージに上がった共産党の志位和夫委員長がショパンの名曲「別れのワルツ」を弾き始めた。「志位さんのピアノを弾いているところが見てみたい」という、初対面の女子学生からの「むちゃぶり」がきっかけだった。「全くのハプニング」(党幹部)。手元に譜面もなかったが、志位氏は観客の熱視線に応えて、4分弱の演奏を披露し、惜しみない拍手喝采を浴びた。

この日、共産党は青山公園(東京・港区)で「JCPサポーターまつり」を初めて開いた。共産党では、党員ではない若い世代に党の政策や活動を理解してもらうため、2月からサポーター制度を導入した。同イベントはインターネットでサポーター登録をした若者らを招いた「オフ会」の位置づけで、志位委員長や小池晃書記局長らが参加するトークセッションなどで意見交換も行われた。

志位氏のピアノ演奏は予定になく、イベントの最後に急きょ設定された。人前でのピアノ演奏は自身の結婚披露宴以来、約40年ぶり。まさにぶっつけ本番だったが、演奏を聴いた音楽評論家は「自分の感性がショパンの音楽を借りて表現されており、才能を感じる。政治家の余技というにはもったいない本格的な演奏だ」と絶賛する。しかし、党内の反応はいまいちだ。古参党員は「ショパンのワルツを弾くのはブルジョワ趣味」と不満げ。翌日のしんぶん赤旗の扱いも片隅だった。

今回のイベントは党企画の「赤旗まつり」とは異なり、サポーターの若者らが運営をリード。党幹部の1人は「委員長に面と向かってピアノを弾いてくれだなんて、我々にはとても、とても」と自嘲気味に語る。

サポーターの質問に答える志位さん(10月28日、JCPサポーターまつり)

サポーターから「共産党が変わらなきゃいけないところ」を問われた志位氏は「市民ともっと双方向のキャッチボールをすること」と答えた。長年、前衛政党として独自路線を歩んできた共産党だが、志位氏は安倍政権打倒の大義を掲げて野党共闘に大きく舵を切り、来年夏の参院選を「自公と野党共闘の最終決戦」と位置付ける。ショパンが初恋の相手を想いながら作曲した「別れのワルツ」に込めた志位氏の覚悟は、他の野党議員の琴線に触れるだろうか。

   

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